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自分のリズムを。

まわりのことが気になって,自分がめちゃくちゃになりそうなとき,心の中でリズムをとるんだ。まわりの音なんて関係ない,自分だけのリズムを。

森絵都 『リズム』

私のバイブル,森絵都さんの「リズム」の中で,私が特に大切にいている言葉だ。初めて読んだのは私が小学生の時。児童書だけど,今でも何度も読み返す。確実に私の価値観の一部を形成していると思う。
「真ちゃん」は,主人公の「さゆき」のいとこで,バンド活動に精を出して,地元で不良呼ばわりされている。冒頭は,上京する真ちゃんが,さゆきとの別れの場面で言うセリフだ。

真ちゃんのリズムは誰にも乱せない。孤高の存在。そんな真ちゃんに,さゆきは憧れと尊敬と,恋心を抱いている。でもさゆきの知らないところで,彼は自分のリズムを守るために必死に闘っていて,結構傷ついていたりもする。そしてそんな姿をさゆきには見せまいとする。自分のリズムを保ち続けるというのは,存外に大変なことだ。

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毎日やらないといけないことに追われて,思うように進まなくて,翌日に持ち越されたタスクがスケジュール帳に並んでいる。完了したら線を引いて消されるはずのタスクはいつまでたっても消されないまま,埃をかぶっているように見える。
そうなると,少し前までは楽しめていたはずの授業や勉強やいろんなことが,いつの間にか楽しくなくなっている。そのことにふと気づいて,悲しくなる。私はまた,自分のリズムを見失っている。

何度も何度もこの過ちを繰り返してきた。自分の学習能力の低さが嘆かわしい。すぐにこれでもかとタスクを詰め込んで,ブラック個人企業ごっこをしている。

楽しかったはずのあれこれが,いつの間にか楽しくなくなっているこの現象を,どうすれば回避できるだろうか。
どうしたってタスクは増える。でも私は一人だ。急に私のキャパシティが増えて能力が上がってどんどんタスクをさばいていけるようになるなんて奇跡は起こらない。

それならもう,ありきたりではあるけれど,優先順位をつけるしかない。
忙しくなってきたとき,それまでタスクひとつあたりに費やせていた時間やエネルギーはどうしたって減ってしまう。絶対に外せない大事なものを優先して,しっかり取り組んで,そして1週間に1日,無理なら半日でも自分に休むことを許す日を作る。優先順位が低いものの完成度が下がってしまうのは,まあ仕方がない。人間だもの。

本当にやらないといけないこと(多くても2つ)と休日を優先順位の上位に持ってくること。

そうやって,自分のリズムを保つ。チューニングする。今日は休んでいい日,と自分に言い聞かせなければ,やらなければならないことがちらついて罪悪感に苛まれる。

いろいろ試してみて,試行錯誤しながら自分のリズムを無下にしない院生生活を模索したい。
大学生,大学院生の皆様はもちろん,忙しい日々を過ごされている皆様,時間管理や休み方について教えていただけるとうれしいです。

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