いつもの時間

気持ちの良い昼下がり、僕は読書をする。
そこへ君の声が明るく響く。
「こんにちは」
「……。」
僕は静かにこくんと小さく会釈する。
「今日は何を読んでるの?昨日の続き?」
本を覗き込む彼女にちらっと本の表紙を見せる。
「…なるほど。」
そう言うと僕の横に座って静かに飼い猫のミーヤとひなたぼっこ。

読み終わった本を横に起き、僕は少し眠そうな彼女に声をかける。
「やぁ。いらっしゃい。」
「あ、読み終わったのね。お邪魔してます。」
僕と彼女は微笑み合う。
「今日も待たせてしまったね。」
彼女はクスリと小さく笑う。
「本を読み始めると自分の世界に入ってしまうものね。あなたは。」
「…。」
僕が少し申し訳なさそうな顔をしていると、そんな僕を見て彼女はまたクスクスっと笑う。
「あなたの代わりにミーヤが私の相手をしてくれたから大丈夫よ。」
そう言うと、彼女は膝に乗って眠っているミーヤを起こさないように優しくなでた。
「さて、今日は何の話をしようか。」
横にいる彼女に僕は問う。
「そうねぇ、今日は…」


これが僕と彼女のいつもの時間の過ごし方。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?