濾過する / Filter
「そんなの気にしたってしょうがないじゃん」
という言葉が
どうしても好きになれない
言うことは正しい
けれど
反発を覚えてしまうのだ
私の意思で
気にしようとして
気にしているわけではなく
気になってしまった時点で
もうそれは
存在してしまっている
あとは始めから存在しなかったように
気にならなかったかのように
濾過するしかない
私の体の中に
喉のあたりに
浄水フィルターのようなものが付いていて
気になってしまったこと
もやもやすること
呑みこみたくないけれど
この場は流さなくてはいけないこと
濾過して
土砂や不純物を取り除き
さらに下の水がめへと移してゆく
溢れたりしない
逆流したりしない
けれど
時々フィルターが目詰まりするから
丁寧に清めて
拭いて磨いて
また元に収める
呑みこむ / 呑みこみたくない
気にしないことも
気にしないように見せかけることも
できるけれど
それだったら始めから
清い水を呑んでいたい
私自身が、身を置く場所を変えることで
私自身の、世界の受け取り方を変えることで
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