山本麻莉

日々喫茶アムリタ。 1980年代生まれ、J-POPが表現の根底に流れています ◆お品…

山本麻莉

日々喫茶アムリタ。 1980年代生まれ、J-POPが表現の根底に流れています ◆お品書き <言葉百花> 日常で生まれた詩のようなエッセイのような <喪失とダンスを踊れ> わたしが経験した発達性トラウマのこと <解き放つ、あるく、うたう> 表現して生きていきたい

マガジン

  • 解き放つ、あるく、うたう

    表現して生きていきたい。

  • 言葉百花

    日記を書いていたら、勝手に詩になってしまった。 そこから拾い上げて集めて並べて模様を描いている。 「動詞」のようにテーマを決めて、文章を綴ってみようと思いました。自分だけのタロットカードを作るような気持ちで。読まれるブログのようにキャッチーなタイトルが上手くつけられないので。

  • 喪失とダンスを踊れ

    わたしの生きづらさって結局なんだったんだろう? 発達性トラウマ当事者による、喪失と再生の備忘録。 「馬鹿だと思われてはいけない」 「黙っていよう、どうせわたしが悪いんだから」 生きているだけなのに、なんでこんなにしんどいんだろう、 幸せなはずなのに。 見捨てられ不安、HSP、大人の発達障害…… 20年かけてたどり着いた根っこは、「発達性トラウマ」「複雑性PTSD」という名のストレス障害だった ここに行き着くまでに、ずいぶん時間がかかったから。 わたしの喪失と再生のストーリーを書き残していく。 司書のように、誰かに必要な情報を手渡すことができたらいい。 わたしとよく似た景色を見てきた、自分を取り戻すために戦ってきた 「戦友」に宛てて手紙を書くように。

最近の記事

  • 固定された記事

生きづらさって何だったんだろう会議

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「生きづらさ」ってほんとうに、よく聞くけど わたしの 「生きづらさ」って結局、なんだったんだろう?  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ そのものズバリに答えている本がありました。 発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体 みきいちたろう 著 この書籍が出たのはわりと最近の2023年です。 もっと早く知りたかったな、20年前くらいに。 アダルトチルドレン、HSP、大人の発達障害……をうたがって、 心理学の本を片

    • 桜でさえ

      桜でさえ 桜でさえ、 花が散ればちりちりと 少し わびしくなって 写真に収めはしない 写真に写らないから 美しい花だけが 桜だと、君はどこか思っている 知っているはずだよ。 ずっと 見てきたからね 散ったあともそこに在る 一本の 美しい樹 だから君は だいじょうぶ。

      • 寿ぐ / ことほ-ぐ

        白木蓮の樹に また 今年も 美しく花が満ちたから 門出のあなたを 寿ぐのに丁度いい 春だから風が強いね 気をつけていくんだよ 祝祭の中庭で いつも見ていた たくさん遊んでおいで 枝に凛と立ち並ぶ 白い花がまるで 花嫁衣装みたいだから 門出のあなたを 思ってただ祈ろうか たくさん笑っておいで たくさん遊んでおいで まるで花嫁衣装のようだったのです。

        • 詩を書くことは パン酵母をつくる工程と たぶん似ている 果実と水と砂糖を、煮沸消毒したガラス瓶に入れて よく振ったら、寝かせる 一日一度、取り出して、また よく振ったら、寝かせる その繰り返しで、酵母菌は育ってゆく 始まりのフレーズだけ、無意識に 投げ入れて寝かせる 詩。

        • 固定された記事

        生きづらさって何だったんだろう会議

        • 寿ぐ / ことほ-ぐ

        • 詩を書くことは パン酵母をつくる工程と たぶん似ている 果実と水と砂糖を、煮沸消毒したガラス瓶に入れて よく振ったら、寝かせる 一日一度、取り出して、また よく振ったら、寝かせる その繰り返しで、酵母菌は育ってゆく 始まりのフレーズだけ、無意識に 投げ入れて寝かせる 詩。

        マガジン

        • 解き放つ、あるく、うたう
          16本
        • 言葉百花
          39本
        • 喪失とダンスを踊れ
          5本

        記事

          わたしという庭

          わたしという名の庭が生まれた時 抱えきれない たくさんの種をもらった サクラソウ、スミレ、菜の花 あの人と、あの人と そのずっと前から 気が遠くなるくらい はるか前から 受け継いできた種だ わたしを育む人から 受け継いできた土壌に 数えきれない たくさんの種を植える ヘチマ、朝顔、忘れな草 唯一無二の庭に 心安らぐ場所に どうか育ちますようにと それがはじまりの「約束」。 幾年も重ねて 季節が巡るたび 庭は新しい顔を見せる 育たなかった芽も 数知れ

          わたしという庭

          ”Untitled”

          まだ 何者でもないわたしたちは 夢を見ている ひそひそ話し声がする 移動教室の隅っこ 忘れていたね 忘れていたんだよ まだ 何者でもないわたしたちは 焦がれている そわそわ着せ替えをしてみる 季節が巡るたび 会いたかったね 会いたかったんだよ まだ 何者でもないわたしたちは つぼみの中で どちらにも行ける どちらにも行かない 揺らいでいる 揺らいだままで まだ 何者でもない 名前はあとからでいい 会いにいきます 手渡そうと思うのです 言葉にならない色た

          ”Untitled”

          春に目を覚ます

          寝室の窓から射し込む 朝陽が 柔らかい 外はまだ空気が ひんやり肌を刺す かもしれなくても 昨日までとは 明らかに違っている 光が、 あたたかい。 1月はいつも うまく動き出せない 年始の目まぐるしさに 息切れしてしまうようで 焦らず、じっくりと 根を 張っていたのだ つぼみを 慈しむように 膨らませていたのだ 春に目覚める。 そんな暗示を かけるように そんな予言を 言祝ぐように 春に目覚めて スキップをして 水色の空を吸いこんで 子供みたいに踊って

          春に目を覚ます

          結晶化する

          物語を読んで心が、震えて 胸がいっぱいになるとき するすると こぼれる涙の 半分は、目から流れ落ち もう半分は、どこか 胸の内の透明なシャーレに流れ着き、やがて 美しい結晶をつくる そんな光景が思い浮かんでいた。 とても 言葉には ならない どうか、息も潜めていてください 少しだけ 少しだけ 結晶がやがて、形を成し 言葉の姿になって あらわれるまで ふきよせレジデンス。 この文章が生まれたとき、確か この漫画を読んでいました。 谷口菜津子さんの描く物

          結晶化する

          2023年に、定番になったこと13選

          年末なので、ふりかえりの意味も込めつつ書いていきます。 ずっと通いたい、と思えるヘアサロン 以前、好きだなぁと思った美容師さんが、その2回目後にはもうお店を異動していたことがあり(泣)近くて、居心地がよくて、信頼して通えるヘアサロンをずっと探していました。やっと見つけた。 今度は店長さんにお願いしています。いなくならないように。(願) いつも、とても扱いやすいスタイルにしてもらえるのが嬉しい。 「このことはこの人にお願いしたい」という、自分の中での定番が増えていくたび、

          2023年に、定番になったこと13選

          淡々と

          淡々と たんたんと 流れていけばいいのだと思う どこにたどり着くのか 考えて 狭めることなく はじまりだけ 少し怖い 何度も振り返る 流れの不確かさに 滝の落差に耐えきれずに 途中で岸へ手を伸ばそうと 流れをやめようとする それでも 淡々と たんたんと 流れていけばいいのだ はじまりの水源も やがて行き着く河口も ただ ずっと同じ、「河(かわ)」 ずっと同じ 流れ 海を胸に抱きながら その先は 世界に委ねる 今ここにあるのは、ただ 美しく 流れゆくも

          エモいって何だろう ~言葉と感情の「あいだ」を満たすもの~

          ここ半年ほどで、自分で書いた文章表現に対して、とてもありがたいことに「エモい」という言葉をかけていただくことが何度かありました。 「エモい文章」、「音楽的なエモさ」。 嬉しくて ニヨニヨしてしまう一方で、ふと思ったことは、 表現の中のどの要素を見て「エモい」って感じてくれたんだろう。 そもそも、「エモい」ってなんだろう? 「エモい」という言葉は、 わたしが青春を過ごした1990年代後半にはまだなかったし、「ヤバい」と同じようにオールマイティに使える言葉だから、なんとな

          エモいって何だろう ~言葉と感情の「あいだ」を満たすもの~

          流れる / Flow

          水のようでありたいな、と 漠然と思ってきた 受け入れて、変わっていきたい。 停滞していたら、よどんでしまう 変わらないこと、つらぬくこと、やり遂げること 地に足をつけて、続けること それ自体がとても美しく 憧れる。 けれども その一方で さらさらと流れてゆく 誰かと出会うたび、受け入れて変わってゆく ただ楽しいこと、感情が動くことを、研ぎ澄ませて 直感で選びとってきた結果 ここにたどり着いている 最短ルートではなかったとしても、 楽しかったな。 いつか、 どうし

          流れる / Flow

          回復する / Recover

          忘れたなら、思い出せばいい 途切れたなら、またつながればいい 休んだなら、たくさん、たくさん寝て 動ける力を取り戻して また動き出せばいい それだけのこと。 秋に葉が落ち、しんと凍える冬を迎えて また春に目覚めるように 放っておいても回復する ちからを 身体が、生き物がみんな備えている ちからを わたしたちはどうしても 信じきることができずに ただ焦りをつのらせる 回復するちから それは、 深く息を吸い込んだ、肺のさらに奥に イメージの世界で、中心に立つ

          回復する / Recover

          繰り返す / Repeat

          何度言われたって、わからないときはわからないものだよ 頭の中でこねくり回しているうちは 体に落とし込まない限りは 腑に落ちるまで 骨身にしみるまで 血肉になるまで そのときは、ふと訪れる わたしにとっての わたしだけの、巡り合わせ なぁんだ、こういうことか。 水がしたたり落ちるような 静かな 閃きの 広がりが 自分の奥底まで 染みとおってゆくときが 訪れることを知っている 何度でも繰り返す まるで雨乞いをする人みたい 同じようなことを 何度でもつぶやいて 何度

          繰り返す / Repeat

          灯る / Light up

          終わっていく 寂しさすら、証 出逢えたことの。 またね って約束をして それが心に灯り続ける いつか見た 夏至の夜のお祭りみたい 一枚の写真のようになっても イメージにふれれば ありありと思い出せる 嘘みたいに濃密な 記憶が詰まっている。 Photo by Hisu lee on Unsplash 真摯に向き合った時間のあとの ぽつんとした寂しさ、虚しさ それでも胸の内側には たしかに灯っている。

          灯る / Light up

          たゆたう / Waver

          ゆらゆらしていたいんだ がっちりと決めてしまうのは苦手 これしかないんだと思ってしまうのも 肩に力が入ってガチガチになるのも それでいつのまにか きちんと息ができなくなっていることも ずっとそうやってきたから そうして、それをやめたくて ここに来たんだから たゆたう、という言葉が好き 身体から力が抜けていくようで 水族館で見たクラゲを思い出す この身体は、ほんとうは 骨と筋肉だけで支えられているのじゃなくて 袋に満たされた液体のような ぐにゃぐにゃして やわら

          たゆたう / Waver