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書きたいことが大渋滞でも

まずは言祝ぎ

11月5日奈良クラブは奈良県で初めてJリーグへの昇格を決めました。
選手の皆様、サポーターの皆様、関係者の皆様、そしてボランティアの皆様、おめでとうございます🎉長年の努力が稔りましたね。現地で見届ける事ができてとても光栄に思います。
今年は奈良で悲しい事件が起きて気持ちは少し落ち込み気味だったのですが、光が差してくるような、元気が湧いてくるような素敵な出来事をもたらして下さったことに本当に感謝しております。

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スペインテーマのイベント

私のいつか行ってみたい国、1位は昔からずっとスペインである。
テレビで観たバルセロナの建造物やバレンシアの火祭りの映像に度肝を抜かれてからというもの、強い憧れを持ち続けている。
英会話スクールにスペイン出身の先生が在籍していた時には、積極的にその先生のレッスンを受講し、フリートークで故郷の話を聞いた。行きたい場所がさらに増えた。
一度も行ったことはないけど私のアナザースカイはスペインだと言いたい。
奈良クラブはスペインのサッカーを取り入れていて、且つフリアン監督とアルナウ選手もスペイン出身であることを知った時には、これが縁だったのか!と驚いたものである。
11/5 奈良クラブスペインデー!!
告知を見た瞬間には行く事を決めていた。
最近迷いがなくなってきたなぁ…

混み具合がわからないので今回も徒歩。
駅から早足で歩く鴻池までの道のりは、頭の中で新妻聖子さんが歌う「Man Of La Mancha」が流れていた。ミュージカル「ラマンチャの男」の中で(自分は騎士だと思い込んでいる男)ドン・キホーテが“I am I, Don Quixote, the Lord of La Mancha Destroyer of evil am I ”(我こそはドン・キホーテ、ラマンチャの領主。悪を滅ぼす者とは私!)と歌う勇ましい楽曲である。

意気揚々11時ちょうどにロートフィールドに到着し、まずはお腹を満たす。お目当てはスペイン料理だ。
パエリアに生ハムにサングリア(ノンアル)。もちろんどれも大好物。数量限定とあったパエリアを買えたのは嬉しかった。並んでいる間にステージイベントが始まり、遠目に見ながら美味しく頂いた。
エビもムール貝もしっかり入っていて、ちょっと芯のあるお米がもう最高だった♪

やっと写真を撮ることを覚えた

食後はスペイン雑貨のテントを覗く。スペインの雑貨は色使いが鮮やかで紋様が美しいものが多いイメージ。ここでは小さな陶器などが並んでいたが、素朴なテイストのものが多かった。
テーブルの隅に憧れの地バルセロナの生地で作られたというポーチを発見した。何とハンドメイド!
自分の細々した手芸道具を入れて使うのにぴったりだと思い1つ購入した。

柄がかわいい♡

そしてこのイベントの最大の見所は選手の3rdユニフォームだろう。
おなじみの青と緑ではなく、この日は特別にスペインカラー年の黄色と水色を纏った選手達を見ることが出来た。
選手入場で鮮やかな黄色が目に入った時、試合前から既に涙が出そうだった。
特別な90分が始まる。

声出し解禁で本来の応援を体験

この試合から奈良のホームゲームも声出し応援が解禁となった。
エリアは限られるしルールもあるが、応援のスタイルはその前の試合とはガラッと様変わりした。
初めて彼らの歌を聞いた時、「息を吹き返した」という感覚があった。長年コロナが奪っていた何かが戻ってきていた。
そして私は初めて歌がある試合を観戦した。これがサッカー観戦本来の姿だったのか。
言葉には力が宿る。私もそれを信じている。
大一番の大切な試合、声でメッセージを直接伝えられるというのはどれほど心強いことだろうか。

歌は何種類もあった。チームの応援歌があり、選手1人1人にも歌がある。高校野球のブラスバンド時代を彷彿としたが、これがまた旨いことに気づいた。
私は奈良クラブのホームゲームを観戦し始めてもう半年になるが、恥ずかしながらまだ選手全員の名前は覚えていない。
遠目からでも目立つ姿の選手をまず覚え、ゴールを決めて名前をアナウンスされる選手を覚え、ニュース記事やテレビの特集でプロファイルが見えた選手を覚え、かなり数は増えたがまだ足りていない。無声の応援ではそれが精一杯だった。
ところが。
「もりーたりーんー」1番耳に残っているのがこの歌。
試合中、歌が各選手の名前を呼ぶ。
歌でなくても、今誰が活躍したのかをサポーター達の声が教えてくれる。
これらの歌を聞いていれば選手の名前を覚えられるではないか⁈
観戦がもっと楽しくなる!

フリアン監督「今日から奈良県Jリーグクラブあります!」は良かったv

奈良県史に残る試合。今回勝てばJリーグ。
この日は奈良市民デーとしても開催され、近隣から観戦に来た人なのか年配の方が多く来場していたように思う。
来場者は3,500人余り。客層も毎度違うのが面白い。
スペインに絆された私もちゃっかり一緒に歴史の目撃者である。

昇格の期待を背負って始まった試合は、まさに接戦だった。
どちらかが優勢だ劣勢だという印象はなく、チャンスとピンチが目まぐるしく入れ替わる。
熱い!こんなにハラハラする試合は初めてなんではない?
ゴール前にボールが来る度に、無意識に悲鳴のような声が出てしまう。
そしてアルナウ選手がボールをキャッチする度に安堵の息を吐く。
頼りになるなう。

後半になっても勝負の行方はわからなかった。
奈良クラブは懸命に攻めていたが、なかなか1点に届かない。
後半の残り時間も僅かとなり、まさかの引き分けで終わるのかと思い始めた頃、ひときわ大きくチームを鼓舞する声が聞こえた。浅川選手だ。
そこからの奈良クラブのプレーの凄まじさは、素人の目にもよくわかった。
三重がボールを持ってもそこをこじ開けるようにしてチャンスを作る。少しでも隙ができるとたちまち攻め込まれるような激しい攻防の中で。
これで点が入らずに終わることなんか絶対ない。そう思った矢先に決勝ゴールが決まった。
スタンドからもゴール裏からも大歓声。黄色の選手たちが全員サポーター達の元に駆け寄って行く。1番遠くにいたアルナウ選手まで走って行った。
もみくちゃになって喜んでいる姿を見て、温かい気持ちになった。
良かったね。報われたね。

試合時間の残りは数分だったが、息を殺して見守った。
アディショナルタイムは4分、隣に座っていたお爺さんが「ああ長いなぁ」と呟く。
この時間に失点する試合がいくつかあったので、もう気が気ではない。
固唾を飲むとはまさにこのこと。

そして、試合終了の笛が鳴る。お腹に入れていた力が抜ける。勝ったんだ!
選手達は倒れ込んだり、膝をついたりしていた。それぐらい必死で試合に臨んでいたのだろう。
ゆっくり立ち上がって中央に歩み寄り、喜びの渦はそのすぐ後に訪れた。
この時の選手達、サポーター達、関係者の方達のはじける笑顔はずっと覚えていたいと思う。

そしてもう一つ。
私の隣で観戦していたお爺さんも「今日来て良かったです」と言って満面の笑顔で帰って行かれた。
なんだか自分のことのように嬉しかった。
こうして、これからも地域と仲良く、愛されるチームになっていって欲しい。

まだあと2試合ある。是非優勝もして歓喜のおかわりも頂きたい。と言ったら欲張りすぎなのかな?