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【詩】紺碧と寂寥の叙情詩

月が欠けて破片が散らばった
拾い集めてそっと両手で掬ったら
また もう一度繋ぎ合わさるように願い事を呟いた

狂わされたおとぎ話に迷い込み
大人になりたくないと必死に思い出にしがみついた
消してしまいたいとあれ程恨んでいた黒い過去なのに

虹の橋が壊れて色という色が霞んだ
雨の雫を受け取ってそっと散りばめたら
また もう一度輝くように願い事を唱えた

亀裂が入った空を眺めている
美しい輪郭と醜い内部に惹かれてしまう
あべこべな感覚路線

最後になりそうな予感がした
枯れそうな花弁が漏らす嗚咽も
音を立てて崩れ去っていくオーロラのカーテンも
目に映る全てが 朽ちていく


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