【論文&レポート】1年次の社会学期末レポート
今回は1年次に作成した宗教社会学の期末レポートを掲載しようと思う。この科目は淡々と展開していくスタイルの講義だったので、毎回睡魔と格闘しながら受講した記憶がある。
期末レポートの内容はいたってシンプル。講義で取り上げられたテーマを一つ取り上げて内容をまとめ、最後に所感を記述する、というもの。
私はカルト問題についてレポートをまとめていった。
A この授業で関心を抱いたテーマを、授業の内容に沿ってまとめなさい。
関心を抱いたテーマ:カルト問題
何故このテーマを選択したかというと、講義内で視聴したオウム真理教についてのドキュメンタリービデオ教材・『A』が強く印象に残っているからだ。そしてそれをきっかけにカルト問題に対して興味がわいた。カルト問題を通して考えたことや解決策について論述していきたい
カルト問題とは、信仰する宗教の教団で生じる内と外のずれが極端に大きくなることが原因の一つと考えられている。内と外のずれは、外から見た教団の姿と内から見た教団の姿の差異のことである。外から見た教団の姿は、世俗集団と同じ拡大志向をもつ集団だが、特殊な信念により結ばれている点で警戒すべきものである。また、近世以降日本人の多くは家を宗教集団の単位とみている。よって、自発的な意思による教団を理解しづらい。一方で内からみた教団は、救いを伝え浸透させるための組織であり、自分を取り巻く環境を時間的・空間的に超える、超越性への回路や聖なる知恵を伝承・実践する場所である。
このカルト問題という言葉は、メディアで広く使用されているが、拡大・乱用されやすい概念である。カルト問題の実質的な意味は、人権侵害や社会秩序を乱す組織による秩序を維持するための常識的観念の破壊や法律に反する行為、また、社会生活の存続を危うくする要因を指す。
また、このカルト問題で危惧されてきたのはマインドコントロールの側面である。このマインドコントロールとは、特定集団により、情報・感情・行動・環境が支配され、現実で起こっていることと教団で話されていることの乖離状態を意図的に作り出し、だんだんと個人のパーソナリティーや精神状態、行動を変容することを意味する。いわば、他人を思いのままに操ることだ。
このように、私たちの社会生活を脅かすカルト問題への対策として、三つの指針が挙げられる。
① 予防:教育機関での教育を通して宗教や理論を理解させること。カルトとはいったいどんな宗教集団で、どんな危険性があるのか。また、どのように自分の身を守るべきかといったカルトの諸相や対策についての教育することはとても大切だ。
② 介入・対処:話し合い、訴訟、家族への支援活動を行うこと。
③ 回復:被害者の損害の回復や脱会者の支援。信者へのカルト教団との断絶と、社会復帰を促す支援をすることが必要である。
B まとめた内容について、自由に論じなさい。
カルト問題についての講義を通して思わされたのは、いかにカルトについての知識や対処法を教育機関を通して若者たちに伝えるか、ということだ。カルトの危険性や特性について知らなければ、いざ問題に巻き込まれたときに自分の身を守ることができない。幼少期からの正しい知識の普及はとても大切である。更に、自らカルトや宗教、道徳、倫理についての知識を深めようと心がけることが、カルト問題から自分を守ることに直結すると思う。だが情報収集をする際、インターネットの情報の正誤に気を付ける必要がある。インターネットには誰もが自由に情報を書き込むことができる。自分が閲覧している情報が必ずしもカルトについての正しい情報だとは言い切れない。その点では書籍を用いて知ることが望ましいと考える。
また、講義内でドキュメンタリービデオ『A』を視聴する前までは、カルト教団やそれを信仰する信者に対して良いイメージや印象を抱いていなかった。『殺人事件を起こした集団なのだから、信者の人々は危険な思想を抱いている』と思っていた。しかし、カルト教団に入信する人はこの世の幸福や生きる意味を見出すことができなかったり、心を閉ざしてしまったりする人が多いことが分かった。カルトとの繋がりをもつ原因は、悩みや悲しみを抱いていることにある。彼らには、もっと支援の手と周囲の理解が必要だと思わされた。具体的な支援として、家族や友人、カウンセラーが彼らに寄り添い、彼らの話にしっかりと耳を傾けることが大切だと思う。何故、彼らがその教団に入ろうとしたのかというきっかけや抱いている虚無感、絶望感といった負の感情をしっかりと理解し、受け止めてあげることが大切だと思わされた。自分の家族や友人が怪しい宗教集団やカルト集団に入信していると知れば、誰もが嘆き悲しんだり怒ったり、取り乱したりしてしまうだろう。しかし、そのような反応をすると、かえって彼らは一層孤独感を抱え、『自分のことを誰も理解してくれない』とふさぎ込んでしまう。愛や親切な心をもって彼らに接する姿勢が求められるだろう。
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