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【詩】帰り道

駅の改札過ぎたところ
風になびいた髪が少し乱れた
ローファーの歩幅もわずかに狭まった

吐く息が白くなって
寒さに震える肩を両手でかき抱いた

見慣れた景色が少しだけ違って見えたのは
君の発した無邪気な笑い声のせい
君の差し出した温かい右手のせい

あの一瞬 一瞬をリピートしてしまうのは
うるさい鼓動を抑えたかったから
心の中をクリアーにしたかったから

一人きりの帰り道
口笛がいつもより大きく響いていた


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