シェア
NN/25夕、26、27は東京町屋(^^)
2020年7月24日 21:55
エリュクスの王を継ぐのはマリュスで、わが夫ノリュスではない。そのことに気づいたのは、すでに婚儀が整ってからだった。カラダで攻めた。私を手放せなくなるように。父、母はとても心配したけれど、私はやりおおせると思っていた。“気品”にも気を配った。何度も何度も映像を見て、母女王の立ち居振る舞いを、まねてまねてまねつくした。母女王は民間から入られた。きっと私の味方になってくださると思っていた
2020年7月24日 22:29
後宮はつくって良いのだけど、父王が作らなかったせいもあり、マリュスはあくまでエヌレヌの姫一穴だ。ノリュスはちゃんと後宮持てばいいのに、手当たり次第に拾ってくる。クラミジアと淋もらって、私はお褥御免した。ただ…マリュスにもノリュスにも男児がいない。父王お倒れになったらお世継ぎは…マリュスは継げる。マリュス倒れたらノリュス。で後は?一。王室をなくす。二。女性に継承権持
2020年7月24日 22:31
エリュス・ゼエを生んだことで、私の周囲は賞賛と疑念真っ二つに分かれた。賞賛は文字通り快挙の扱いで、疑念はなぜ“私が”産んだのだ、という意味合いだった。男児が要るんでしょ?ありがたがったらいいじゃない。なぜ私が、は、お義姉様が石女だからじゃない。有識者会議は女王は望まないのだし、ありがとうございますで良いでしょう?違うの?結局私は妊娠しやすいだけの話なんだよね…それにしても、私は
2020年7月24日 22:34
かあさま会っていただきたいひとがいますティエの上気した頬を見て、ああ、これはもうだめだと思った。高位女官は何をしていたのだ。どうして小娘の小知恵を封じれなかった?まあ、年頃には知恵が回るから。あなたもそうだったじゃない。確かに彼女ら悪友たちに、私もいろいろ口裏を合わせてもらった。でも…とりあえず、ティエなりに“一筋”、向こうも向こうなりに“一筋”らしいことはわかっ
2020年7月24日 22:35
月のエピソード、私の会見でも使ったじゃない。物語部。覚えてないの?今はSNSや動画の時代なんだから、もっと用心すべきだわ。それにウォルゼフォン・キャゼッツ。なんかおかしい。軽いだけ?いえ。何か隠してる…気がする…悪友の一人が、ある日緊急に会いたいと言ってきた。一人だけと会うと憶測を呼ぶ。当時のクラスメート何人か交えて歓談することにした。茶話パーティーふうの設定の中、何とか
2020年7月24日 22:36
乗り上げる前になんとかしてほしかった。こんなことなら出会わないでほしかった。ティエは相手に何を見たのだろう。勤勉だったようでもなく、関わったサークルは浜茶屋研究会。浜茶屋のルーツと未来を研究する傍ら、美人コンテストと美男コンテストを交互年に行うという超絶ナンパサークル…そこと、ティエの参加していた赤十字献血サークルとの合コンで知り合い、互いに一目惚れしたという…私とノリュスの出会いも
2020年7月24日 22:39
ウォルゼフォン・キャゼッツはそういういみで、あまりにも好都合な人物だった。優男。人柄良さそうにも見える。でも実はチャラだった。母子家庭。健気なイメージが出る。ところがとんでもない母子家庭。スキャンダルは少し遅れて発火するようにしておこう。タネは仕込んだ。後は極力、ティエがかわいそうに見えないように。ティエが馬鹿に、見えるように。だってティエ、あなたのお母さんは、かつて、私の男