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3歳までに2ヶ国語を教えるとバイリンガルになるのか。バイリンガル子育てとは。

子どもは産まれた時から、たくさんの事を吸収して覚えていきます。

特に0~3歳までは、着替え、食事、トイレ、など自分で出来ることが増え、成長が著しい時期です。

言葉の面でも「あー、うー」的なものから「昨日、○○した」と自分の体験を話せるようになり、会話ができるようになっていきます。

では、国際化が進み小学校教育でも英語が必須になった今の時代、この3歳までの時期に外国語を習わせる事で2か国語を話せるようになるのでしょうか。

私はコリアタウンの近くにある保育園、中国の方が住む団地の近くの保育園、インドにある日本人向けの保育園で勤務した経験がありますが、3歳までの時期に英語と日本語など2か国語で子育てをすると、子どもの言語獲得はおくれるだけでなく、どちらも中途半端な言語を話す子どもがほとんどでした。中国の子に関しては、お母さんも私も何を言ってるのか全くわからない言葉を話していた子どももいました。(1年後には何となくの日本語を話すようになりました)

韓国や中国の子は、2歳児でも言葉がほとんどでず、4歳ごろになって初めて話だしたり、インドで保育した子は英語は話せるのですが、日本語がめちゃくちゃで正しい日本語の獲得にとても苦労していました。小学生になるころに2か国語をわかるようにはなってきていましたが、話せるのは1か国語でした。

実際に、赤ちゃんの脳科学の本でも、言語を獲得する時期に2か国語で子育てをすると、脳は混乱するだけで言語の獲得は遅れると書かれています。

赤ちゃんからすれば、「これは犬だよ」と言われた後に「これはdogだよ」と言われても、どっちなの?となり、犬を見ても、「犬」と言えばいいのか「dog」と言えばいいのかわからないので、自分から話せないのです。
「This is a dog」と英語で言われても同じで、赤ちゃんの脳は混乱するだけなのです。

「犬」と言う言葉を覚えて初めて「犬」は「dog」と言う呼び方もあるのだ、と理解できるのです。

言語を獲得するには、まずは1つの言語を獲得しないと2つ目の言語は獲得できないのです。

しかし、人間の聴覚は不要な音を聞き分けるために、日本で育つと日本語では使われない発音は聞き取らなくなるため、小さいうちに英語や別の言語を聞かせた方が良いと言うことをおっしゃる方もいます。

このことに関しては、高校や大学に入ってから英語を真面目に勉強し、通訳として活躍している方はたくさんいます。その方は赤ちゃんの時から英語を聞いていなくても、きちんと現地の人の言語を聞き取り発音もできているわけです。

私自身もアフリカやインドで暮らしたことがありますが、現地でずっと暮らしていると耳が慣れて現地の人の言葉を聞き取れるようになっていきます。

ですので、私個人の見解ですが、音を聞き分ける能力を残したいのであれば、言葉を教えるのは1か国語で、音楽は別言語で聞かせる、教える以外の言葉を別言語にして自然と耳に入るようにすればよいのでは無いかと思います。
また、結果的に言葉を話すのが遅れても2か国語が話せるのであれば良いのでは無いかと思われる方もいるかもしれません。

しかし、私が保育してきた子どもたちをみると、話し言葉は気にならないのですが、圧倒的に単語の獲得数が少なく「なぞなぞ」などがわからない、絵本でのストーリーの意味がわからないなど、国語力が低く小学校でも国語の授業で苦労をしていました。

例えば日本語は、「山」「小高い丘」「山脈」「〇〇岳」など、山のような形をあらわすにしてもたくさんの表現方法がある難しい言語ですので、日本で育てる場合はまずは日本語を獲得してから、2か国語目を覚えることをお勧めします。

言語の獲得が遅れると言うことは他人とコミュニケーションを取ることが出来ない時期が長くなることです。

大人の勝手な都合や中途半端な知識で子育てをすることで、自分の思いが他人に上手く伝えられないもどかしさをもって子どもが育つことがないようにしてあげたいものです。


参考文献 「赤ちゃん学をしっていますか」


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