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サステイナビリティは難しい(その2)

前回は地球環境の持続可能性について、amirisuが今取り組んでいることについて書きました。一般的にサステイナビリティというと環境のことが思い浮かぶと思うのですが、私たちが同じくらい重視しているのはビジネスのサステイナビリティです。

会社を設立するとき、まず20年続けよう、という目標を立てました。もう7年前のことです。単純に考えたら残り13年なわけですが、そうもいかず。社員が増え、定年まで働きたいと皆に言われるようになりました。すると「あと何年だっけ?」という話になり(笑)。

amirisuという会社が長く続くためにはどうしたらいいか。環境と同じくらいそれを大事にしています。例えば、健康。みんなが、特に私たちが健康でないと、会社は続けて行かれません。働きすぎて身体を壊すなんてもってのほか。編みすぎて手を痛めるのもだめ。鍼灸に行き、健康維持に努める。(本当は運動ももっとしないといけないんですけど...)
会社が長く続くために、次の世代を育てることも大事。現状維持ではなく若い人を一生懸命採用しているのもそのためです。人が増える分、たくさん売り上げを上げなければならず... なかなか悩ましいのですが、今から10年経って突然スタッフが病気で辞めたりしたら、代わりを見つけて育てるのもなかなかしんどい。ということで、今から色々と考えています。
お客様との関係も大事にしています。会社として売り上げは上げたいですが、例えば煽った広告をしたり無茶なセールをして一時的に売り上げが上がっても、それはサステイナブルではありません。皆さんが編める量というのは決まっているし、おうちのスペースも限られている。今の売上ではなく、長い目で見たお付き合いを大事にし、amirisuのお客様でい続けてほしい、そのための努力をしています。買うものがなくても、ウェブサイトを見にきてもらい、楽しみを見つけていただきたい。編み物が好きでいつづけて欲しい。だからコンテンツ作りにも力を入れています。
いっときものすごく買ってくださっていたお客様が突然購入されなくなってしまうことがあるのですが、すごく心配しています。○○さん、お元気かしら、病気をされていないかしら、ととても気にします。無理のないペースで編み物を続け、amirisuともずっとお付き合いしていただけたら嬉しいです。

もう1つの視点は、会社の持続性とも関連がありますが、何かを始めるときにそれを無理なく続けられるか、ということ。より良いサービスにしたいと工夫は重ねていますが、それをやることでスタッフが疲弊してしまえば本末転倒。8割の力で毎日楽しく働いてもらわないと、どこかで無理が祟って働けなくなったり、会社を辞めたりすることにつながってしまいます。また、ミスも多発してしまいます。
ですから、お客様からの要望が多いサービスでも、お断りする勇気も必要です。例えば、即日や翌日の発送。玉巻サービス。電話でのご相談や店頭でのレッスン。自分1人のお店なら、自分が頑張ればなんとかなります。でもスタッフは雇われて働いている身。自分の持ち物ではないビジネスに、身を削るのはおかしい。そんな無理な要求にならないようコントロールするのが、経営者の役割の1つだと思うのです。会社が長く続くためには、無理をしない、無理をさせない、がとても重要です。社員は使い捨てではありません。

以上のことは、私が会社員をしていたときに、強く疑問を感じていたことでした。他にも、個人の尊厳に関して疑問に思うことはたくさんありました。それを自分たちの会社で少しでも解決できたら嬉しい。自分のコントロールできる小さな範囲ですが、いい会社にしていけたらと思っています。

文責:メリ

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