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わたしの強迫性障害について

こんにちは

本投稿は、

①私が現在抱えている精神障害について、
②この経験を機に現在考案中の新作ストーリーボードペインティング

についてお話したいと思います。

そこまで明るくない話題ですが、暗過ぎずに、
自身の体験を踏まえた上で、現状同じような状態で苦しむ人たちの希望になれたらと思い、新作に取り組んでいるので最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

私は強迫性障害という精神障害を抱えています。

通称 OCD (obsessive conplusive disorder)と呼ばれ、潔癖症が代表的ですが、私の場合、侵入恐怖/確認行為という種類で、“身の安全を必要以上に確保しなければ外出や睡眠が出来ない”という症状です。

普通に考えたらおかしいですが、部屋の外にも中にも複数台の防犯カメラを設置したり、日常的に何度も何度も、窓やドアの厳重な戸締りを確認したりしています。
窓にも第三者が無断で開けると、大きな音でブザーが鳴り響く素敵な仕様になっています。(自分でもたまに間違えて開けると鼓膜が死にます)

衝撃を感知しても爆音でブザーが鳴る
トレイルカメラ:動きを感知すると撮影を開始する (本来は野生動物用)


obsessive
 → 意味は 頭から離れない

文字通り、一見馬鹿馬鹿しくて無意味に思えても「強迫観念が頭から離れない」という病気です。

【潔癖症】の人は、同じ場所を何度も何度も掃除したり、

【順序・整頓症】の人は、家具や物の配置を無意味に何時間も考えてしまったり、

【汚染恐怖症】の人は、自分が未知の病原体に感染するのではないかと強い恐怖を感じたり…

…と他にも様々な種類の強迫観念による不安障害があります。


OCD、あまり馴染みがない病名かもしれないですが、芸能人・有名人でも同じ精神障害で苦しんでいる人が実は結構いたりします。

映画『アビエイター』でレオナルド・ディカプリオ演じるハワード・ヒューズが強迫性障害で、極度の潔癖症と、整頓・順序に強い拘りがあるという役柄でした。

映画『アビエイター』より

実は役だけでなく、
ディカプリオ自身も子供の頃にOCDを抱えていたようです。

他にも、有名人だと

ケイティ・ペリー
レナ・ダナム
ドナルド・トランプ
ダニエル・ラドクリフ
JKローリング
デビッド・ベッカム
シャーリーズ・セロン
など

このOCDを過去・または現在も抱えている人が多いようで、日本人にも経験したことがある人が多いと聞きます

原因は不明で、とあるきっかけでスイッチがはいり、数年後にはコロッと治ってた!なんてこともある一方で
逆に一生付き合っていく人もいるそうです。

心療内科の医師に相談したきっかけは、ある時期全く寝れない・食べれないという、鬱病の症状があったためでした。そして話をするうちに「あなたは強迫性障害の疑いが高い」と言われました。

「誰かが家の中に入ってくるのではないか」
「誰かが天井裏に潜んでいて、全ての会話を盗聴しているのではないだろうか」
「誰かが窓の外からずっと監視しているのではないだろうか」
「突然人が家に押し入ってきたら…どう対抗すべきか」
などなど、
「起こり得ないことを今日、ないし明日絶対に起こると強く感じてしまい、その強迫観念から逃れるために対抗処置を必要以上に取ってしまう」

そんな心境を伝えると、医師は

「統合失調症ではありませんね」
「しかし強迫性障害という診断結果になりますね」

「あなたは悪くないですよ。あなたに原因があるのではありません。」

と言いました。

堪えましたが、なんだかその場で泣きそうでした。


そして過去の経験や考え方を伝えていくうちに、小さな頃から無意識に症状があったとわかりました。

OCDの中には、儀式行為という種類もあり、例えば

「この服を着ると、悪いことがある」
「この曲を聴くと、絶対に不幸になる」
「この番組を少しでも見てしまったら、一日が最悪になる」など


小学生の頃からこの強いジンクスを持ってしまう習慣があり、他にも整頓、物の位置へのこだわりが強く、
そこから外れた行動を取ると一気に恐怖心に襲われます。

今でも恥ずかしながらこの思考回路はやめられず生活に強く根付いています。なのでせっかく買った服なのに、この服を着たら…と一度頭で思ってしまったが最後、二度と着れなくなります。


どこからが「こだわり」でどこからが「障害」扱いになるのかというと、それは日常生活に支障が出た時です


儀式行為は着れる服や聴ける曲が少なくなる程度の被害なので、正直そこまで大きな日常生活への支障をきたしませんでした。

ですが、今回強く出ているこの確認行為/侵入恐怖

「どうしても“外出ができない” “寝れない” などの支障をきたすので、そのストレスにより鬱病と併合しやすいんです」

とのことでした。支障を大いにきたすようです。

改善方法は、投薬治療認知行動療法でした。

投薬治療は、強い不安を感じたときに飲む薬です。

認知行動療法については、

その人の抱える問題に対して最適な行動や認知を直すことで治療を促進していく、ということです。


てっきり私は「そうゆう(無意味な)考えをやめて無になりなさい」とか言われると思ってました。

しかし逆にこう言われました。

「あなたが完全に安心できるスペースを作り、その場所に少しでも長くいるようにしてください」

先生は続けて、「「孤独のグルメ」という番組を知っていますか?」と聞きました。私はよく地上波で見ていたので「はい、よく見てます」と言うと


「あの人は仕事の中で自分の空間を料理を通して確保してますね。自分だけの時間と空間を作り、ただ今この瞬間の料理を楽しむ。このようなイメージで、空間を作り過去や未來の不安を考えず“今を生きる”ことを意識して生活なさってみてください。それを続けていくことで少しずつ、認知が解れ、段階を踏んで普通の日常に戻っていくことができるでしょう」

とのことでした。なるほど…と深く納得した自分がいました。

確かに、現代人は過去や未来のことを悔やんだり嘆いたり心配したりし過ぎて、今に集中するっていうことがなくなってる気がするな…と改めて言語化されるとはっきりと気付きました。

帰りの車の中でぐるぐると「今を生きるってなんだろう」とずっと考えていました。

その日から防犯カメラを置いたりする以外に、外出する際にはバッグにグローブや催涙スプレーを入れて持ち運ぶようになりました。

(真似しないでください、変質者になります)


催涙スプレーは診療にかかる前から持っていましたが、精神的なお守りのように持ち歩いています。

実際に使用することはありません。そうならないことを願います。

しかしこれがあるおかげで自分が守られていると感じ、強迫観念による心労が軽減され、外へ歩き出せるようになりました。

何ヶ月も外出できない日々が続いた中で久々に外へ出ると、太陽の光が本当に眩しく感じます。

川の音や、外気の匂いや、風を感じ、まだ少しの恐怖があるものの、心地いいと感じました。

なるほど。これが“今を生きる”ということなのだろうか? と思いつつ歩いていくと

道端に浴槽が。草に反射する太陽の光が綺麗だと思えたり。

やっぱり数分でも家を空けると誰かが侵入してないかと気になってしまい、すぐに帰ってしまいました。

今も、変わらず防衛グッズを持ち歩いては、出掛けていますが、これが最適解なのかわかりませんが、以前よりも長く家を空けることができるようになりました。

これが自分の空間を作る、安心を得る、前へ進む、という唯一の方法なのだなと受け入れると気が楽になりました。一生直らないかもしれないですが、これはわたしの人生においてなんらかの意味があるのかもしれないと受け止めています。

私の精神障害についてとその付き合い方については以上となります。

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ここから制作について、自分でもアウトプットして整理していく感じでざっくりではありますが、書いていこうと思います。

映画「アビエイター』より

話が少し戻りますが、ただ言えることは


この障害は本当に辛いです。本人は勿論、家族や友人を巻き込むからです。

私の場合はカメラを置いたりだとかで、単に引かれるだけで、自己完結しているのでまだ良い方ですが、

確認行為でひどい症状の人は深夜寝ている家族を起こして、何度も「鍵が閉まっているか」を聞いては、閉まっていることを他者を通して伝えられることで安心し、しばらく経ってからまた同じことを聞き安心する…を繰り返すと言われています。自分では馬鹿なことをしていると自覚があっても、やってしまうんです。


周囲からの誤解も受けやすいです。


このOCDと呼ばれる精神障害は、日本人だけでなく海外にも同じくらい抱えている人がいるようです。日本の方がなんとなく傾向的に多いのかなと思いきや、各国あまり比率的には変わらないようです。驚きです。


この症状を抱える多くの人に届く様に、
ストーリーボードペインティングの新作『Clan』(仮)
では、OCD(強迫性障害)を抱える主人公の少年が、

ある日を境に人の《唾液》や《血液》に触れるとその人の人生の記憶が見えるようになったのをきっかけになぜヒトは誕生し生きているのか、その理由 について掘り下げていくストーリー を考案しています。

clanは『氏族』という意味ですが、これも変更の余地はあるので、仮です。

アメリカ在住の日系移民の母子家庭をテーマに、OCDを抱える早熟な少年の《生きることへの戸惑い》と《思春期の葛藤》《希望》を中心に描きたいと思っています。

今までのストーリーボードペインティングはストーリー性としてはかなり短いものでした。一連の動作や流れのものが多かったので、起承転結というようなものではありませんでした。

しかし今回は脚本をしっかり練って、撮影スタジオを確保しモデルに協力してもらい、一コマ一コマを丁寧に時間を掛けて制作していきたいです。うまくいくかわかりませんが、失敗が怖いという気持ちより、どうにか創り出したいという気持ちの方が大きいです。


2022年4月15日に公開されたオンライン個展では、複数の方々より祝福のお声を頂き、作品も21点中11作が売却されました。本当に、ありがとうございます。

某国への寄付金へ充てるもの以外は全て今後の制作に活用させていただこうと思います。

撮影機材やモデルや、スタジオ借用料など、予算を計算していくと結構かかりそうだと思いつつ、取り敢えずは自分のやれる範囲でやっていきたいですね。

今は色んな脚本術の本を読み漁ったり、古典映画に立ち返り自分のしたい表現に近いものはどれかと模索しています。

しかしやはり脚本を書いていきなりさあ撮り始めよう!は、失敗のリスクも高いですし、主観的に偏ってしまいそうですので、

元イギリス映画の脚本家ピーター・サルミに協力してもらうことになりました。

ピーターは友人で、イギリスで長年、映画脚本家、製作、カメラマンとして長く活動してきました。


代表作には、『ブルー・ジュース』(1995)
主演はキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ショーン・パートウィー、ユアン・マクレガーが配役されました。

キャサリンゼタジョーンズはシカゴもそうですが、今や生きる伝説のようですね。ショーン・パートウィーはゴッサムシリーズに出演しています。ユアン・マクレガーは言わずと知れた「スターウォーズ」のオビワンですね。個人的には「トレインスポッティング」の方が印象強いですが…。最近だとドクタースリープですね。

やっぱりドラッグ関係のユアン・マクレガー


ピーターは今はペインターとしてヨーロッパを中心に活動しています。よく最近公開された劇や映画、絵について連絡を取り合っています。やはり文章や言い回しが達者で端々で圧倒されます。

ブルージュースの雰囲気はとても好きです。トレインスポッティングっぽいというか、60倍に爽やかにしたトレインスポッティングという感じです。(もはや違う映画)


まだ全然未完であるにも関わらず快くOKしてくれた彼には感謝です。

と、、、まあこのくらいで。

ここまで読んでくれた方いたのでしょうか……

色々散文で読みにくかったと思いますが、読んでくれて嬉しいです。ありがとうございます。
最近また精神的に日中の活動が苦しくなってしまい、落ちこぼれていましたが、料理などして少しずつ元気を取り戻してきました。

また報告できることがあれば…その日まで。

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