紀尾井123回目の定期、リハが始まったよ

昨日から、奏者の一員として参加する紀尾井ホール室内管弦楽団の、123回目の定期公演のリハーサルが始まった。もしかしたら神回かも知れないので、皆さんに内容と状況をお伝えしたくて、6月末振りにnoteを開いた。

紀尾井と私の縁はおよそ5年前。最初はエキストラとして、今年2月以降は新メンバーとして参加している。紀尾井にJoinしたいと思ったのは、このサイズのレパートリーに強く興味を持つようになったから。以前は、無伴奏(1人)から大体13人(カメラータ・ド・ローザンヌ時代に経験)くらいまでの小編成に注力していた。人数が増えるだけ音楽が大きくなり(当たり前か)その経験がまた自分自身と向き合う栄養源になっている。

25年前にホールとともに始まった、当時ソリストとしてバリバリの教育を受け終えたばかりの初期メンバーの皆さんが、いかにこのホールで美しいアンサンブルを作り上げてきたかの歴史に触れてもいる。今回はそんな先輩であり同僚(年齢的には上も下もいるけれど、関係なく心はフラットだということを、言葉でも雰囲気でも伝えてくださっている)である皆さんと共に、弦楽合奏で最も挑戦的な4曲に挑戦している。

昨日のリハ風景。ホールが修繕工事の時期で今日・明日は、紀尾井の定期公演史上初めて?ホール外でのリハだったのですが、まさか紀尾井が紀尾井以外でリハするなんて思わない自分は、注意のメールをいただいていたにも関わらず飄々と紀尾井に出没。受付の方がポカンとしながらも、すかさず予定表をみせてくださり、別のリハ会場へ走る...という気負いの多い感じで始まりました。(木枯し)(時間には間に合いました)

まず、北欧の作曲家・グリーグの『ホルベアの時代』。弦合奏の定番で、爽やかな風が走り抜けるよう、暑さも憂いも吹き飛ばしてくれます♪ コンサートマスターの玉井菜採さんが、バロックのアプローチを取り入れつつ歌う楽章はとことん、と、メリハリの効いた提案をしてくださった。

当日の曲順は違うけれど、次にブラームスを。ヴァイオリン2人、ヴィオラ2人、チェロ1のために書かれた弦楽五重奏曲を、24名の分厚いアンサンブルで!これもかなりの風圧を感じますね。いや、嵐です。でもポジティブ嵐。どなたか教えて欲しいのですが、弦楽四重奏ってあんなにシリアスな曲が多いのに、五重奏、六重奏ってなった途端に幸せが溢れ出すのってなんででしょうね?

午後には、アルゼンチン・タンゴをクラシック楽器群のために昇華したピアソラ、の、後継者と言っても過言ではない、ゴリホフの『Last Round』
初めて接しましたが格好良くてたまらんです。最初のメロディには『マッチョでクールでデンジャラスに』との表記。
紀尾井ってドイツ語圏のレパートリーに最も重きを置いてきたと思うのですが、そのサウンドを以ってアルゼンチン音楽をマッチョでクールでデンジャラスに弾くと、ちょっとやばいです。事前に聞いたどの音源よりも昨日のリハは格好よかったです。
味が整っちゃう前に本番やっちゃうくらいでちょうど良い気がします。。マーラーに時間掛けたいです。。

そのマーラー。交響曲第10番の最初の楽章(24分)を、弦楽器20人ちょっとにぎゅううううっと封じ込めた先に見えるもの...ちょっと未知数です。マーラーの音楽のヤバさが際立ちます。まだわかんない(正直すぎ笑)

国を越えての移動が難しくなり、指揮をしに来てくれる予定だった、オーストラリア室内の音楽ディレクターであるトネッティさんは残念ながら来られなかった。内容の変更もしたため、日程は同じだけれどチケットは一度全て払い戻し。こんなこと、1年も続けてられません。

今、どの団体にも生じている事だけれど、音楽界は、この困難を成長に変えるために誰もが物凄いエネルギーを投じています。ぜひ興味のある団体、お住まいの近くに拠点をおく団体の公演を、今ならではのゆったりとした座り方で楽しんでいただきたいと思う。

半年以上の沈黙を経て、私から見たらかなり高いレベルでコロナのリスクに気をつけながら、この紀尾井も新しい時代への産声を上げます。神回の予感しかない金曜と土曜です。前夜22時までコンビニ発券出来ますので、ぜひご検討ください♪

【公演情報】

2020年9月11日(金)19:00
https://kioihall.jp/20200911k1900.html

2020年9月12日(土)14:00
https://kioihall.jp/20200912k1400.html

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日本とヨーロッパで活動中のヴァイオリン弾きです。