我が家のウチナータイム


うちの夫は時間軸がゆるい。

例えば9時に家を出るよと伝えたら、実際に家を出る時間は10時過ぎ、といった具合に。30分押しは早い方で、大体支度に小一時間かかっている。

化粧をするわけでもなく、軽いモヒカンでセットに時間はかからない、なにに時間を要しているのかとこの間観察してみたら、大概はmacの前でぼんやりとしていて、出る間際に5分くらいで急いで支度するといったかんじだった。

その為、押し時間を見越して、出発時間を伝えるようにしている。9時に出たい場合は、
「8時に出るし」と伝える。

それでも、オーバーすること多々あり。夫のその時間軸をひそかにウチナータイムと呼んでいる。


日本は大変きっちりした国だ。ルーズな人もいるが、大概の人は時間通りに動く。
ブラジル、キューバ、メキシコといった南米で暮らした経験のある夫に、「南米はどないなってんの?約束の時間とか、ゆるめ?」
と、聞いてみたところ、
「人によって違う。でも、待ち合わせで時間内に行かないと、「置いてくぞ」ってさすがに言われる」

日本よりはわりとゆるめなイメージの南米でも、周りをイラつかせている夫に、軽く引いた。

今年のメキシコ滞在中も、支度が遅い夫に、メキシコ人の友人が

「メキシコ人より、メキシコ人ね」と言われていたらしいのも納得だ。


結婚1、2年はそのウチナータイムにイライラしていたが、最近では自分も軽く伝染し始めて、長年信じてきた5分前行動がついに崩壊したのである。

時間になっても焦らないし、なんならオーバーぎみである。

たまに夫の方が支度が先に終わり、
「まだなんか?!」と、逆にイラつかれることもある。

夫婦揃って、それでいいのかと思ったりもするが、せかせかと時間に操られ動くことが不自然ではないのかとさえ思い始めた。

反面教師が出たのか、我が息子は時間をきっちり守るタイプである。



焦らない

残りの5分に過集中

(自由律俳句)

2018.10.2『もそっと笑う女』より

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