ウザい営業お断り②

わたしの悪い癖は、インターホンが鳴ってもすぐにホイホイ玄関に行って出てしまうところだ。

先日、70代近くのきっちりとした身なりの女性が「お子さんの人格形成に良いお話をさせていただきます」と言った。
最初、この人何を言ってるのだろうと思い、聞き返してしまった。
すると女性は「ええ?また言うの?」というような表情をし、少し苛つきながら繰り返した。

人格形成に良いお話?
もう、聞いただけで謎だらけである。
このオバハンから人格形成の説法を受けるの?
なんで?
うちの子はもう十分に良い子だけども?
逆にその説法を聞いた後、何を勧誘してくるの?
良い子になるサプリ?
良い子になる壺?

玄関先に子どもの自転車が停めてあるので、その若干錆びれた感じで「ここは、イケる」とインターホンを鳴らしたのだろう。

オバハンは凛とした態度で、
「ワタクシ、正シイ人間デス」的な雰囲気をバンバン醸し出してきている。
圧倒的支配感。

わたしは口をポカンと開けた後、我に返り、「結構です」と伝えると、明らかに「え!あーた、こんないい話を聞かないわけ?!」と言いたげに顔を引き攣らせた。
オバハンの顔を見ながら静かに戸を閉めた。

しばらくして、あの話を一体どんな展開に持っていくのだろうか?しまった、聞いとけばよかった、ネタになるじゃないか、などと思ってしまった自分がいることに気づいた。完全に自らネタに飛び込もうとしている。

以降、インターホンが鳴る度に「どんなネタが?」と玄関にホイホイ向かうが、大体は宅配便で、ちょっぴりガッカリしてしまう今日この頃である。



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