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ビッグマウスの兄から学んだ「合格の秘訣」

同じ親のもとで生まれ

同じ親のもとで育ち

同じ釜の飯を食って生きてきたのに



なーんで人って同じように育たないんでしょうか。

2歳年上の兄と私は顔や声はそっくりと言われて育ってきたけれど、性格に関しては大して似ていない。

好みは似ている。
なぜなら幼い頃から私は兄の真似ばかりしてきたから。
兄姉の持ってるものってさ、なんであんなにキラキラして見えるんだろうね。


性格はといえば、
兄は典型的長男で真面目な堅実派、
私は典型的末っ子で要領とポテンシャルで生きるタイプだ。

兄が自分の数歩先の人生を歩んでいるというのは、常にチュートリアルのあるゲームみたいなもので、そりゃあ要領よくこなせるに決まっている。


そして、そんな兄は子どもの頃から自分に対しての自信がすごい。
自己肯定感が高いと言えば良いのだろうか。

入試前に面接練習をしながら
「お兄ちゃんって挫折経験はありますかって聞かれたら何て答えるの?」
と尋ねると
「僕には挫折経験はありません。なぜなら、失敗しないようにしっかりと考えて対策を練って行動してきたからです、って答えるかな」
と返ってきた。

正直、ちょっとウザイなと思ったが、それだけ自信をもって生きていられるのは羨ましくもある。

一方私は生まれながらのこじらせ屋なので、ちょっとどうしたんと問いたくなるくらい自己肯定感が低かった。


何をするにも「所詮、私だしな。」みたいな。ちょっとどうしたん。

あと女ってさ、自分に自信が無いように振る舞うのが女の中で生きるコツだったりしない?
謙遜こそ美徳的な。


そんな兄と私はなんだかんだ仲良くやってきたのだが、私が中3の時、高2の兄と二人で夜の自動販売機にジュースを買いに行くことがあった。

時は受験勉強真っ只中。

兄と二人でしゃべるのはなんだか久しぶりな気がした。


兄「受験勉強どう?捗ってる?」
私「うん。そこそこ」
兄「で、受かりそう?
私「え…、どうだろうね。あんまり自信無いかなぁ」

(ここで「受かりそう」って言えるやつ、いる???)

兄「え?自分が受かると思いながら勉強しないで、誰が受かるんだよ?受かると思って勉強しないと受かんないんだよ?」


自分を愛せない人を、誰が愛してくれますか理論。


受かると思って勉強しないと受かんない。

思春期ど真ん中の私には、誰に言われるよりも心にすっと届いた。

心の底から「確かに」と思えた。


私は謙虚に答えることで、不合格のための予防線を張ってきたのだし、
兄は兄でビッグマウスで自分を追い込むことで、合格に向けて自分を鼓舞してきたのだろう。

どちらが健康的かは、一目瞭然だ。


それ以来私は、不安になったとき、
「私は受かる。受かるために勉強している」
と考えながら受験勉強に励んできた。

兄のビッグマウス精神のお陰か、高校も大学も就職試験も、第一志望にするすると合格できた。
資格試験にも1回で合格した。





17歳の青年の一言に、私は今でも支えられている。








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