ジュークボックスに思いを馳せて[後編]
前編はこちら
バーテンの好意により一曲だけ聴かせてもらう。
コインを入れる。ガチャッ。
ナット・キング・コールがスーッと入ってくる。
滑らかな声が耳の奥をくすぐってくる。じっくり味わいたくて目を閉じる。
瞼の裏に、一緒に過ごした思い出がグルグルと回りだす。じいちゃんとばあちゃんは笑っている。涙してくれている。オレってこんなに愛されていたんだ。
思わず胸が詰まり、こみ上げてくるものを感じる。
会いたいよ。二人に会いたい・・・・。
そのとき突然、音楽が止まった。