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【詩の雑感】中原中也「春の日の夕暮」
2回目となる「詩の雑感」。今回は中原中也「春の日の夕暮」について雑感を述べたいと思う。
トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は穏かです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです
吁!案山子はないか―あるまい
馬嘶くか―嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするまゝに
従順なのは 春の日の夕暮か
ポトホトと野の中に伽藍は紅く
荷馬車の車輪 油失ひ
私が歴史的現在に物云へば
嘲る嘲る 空と山とが
瓦が一枚 はぐれました
これから春の日の夕暮は
無言ながら 前進します
自らの 静脈管の中へです
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