創作の源泉、私の原点
もう戻れない日々。君が指さした雲の形。ふたりでつけた硝子指輪。あの日この眼に焼き付けた、君の横顔。
記憶から溢れていくそれらを、形に残したいと思った。
むかし誰かが言っていた。「人は何か大切なことを経験するたびに、思い出としてそれらを記憶の箱に詰めていく。でもその箱には沢山の穴が開いていて。一人では到底塞ぎきれない大量の穴から、絶え間なく思い出は溢れていく。誰かの笑顔や誰かの声、触れた感触、誰かとの日々」
ああ、今でも一言一句覚えている。
「自分でも気づかないほど容易くそれら