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君はハワイに恋しているか

こんにちは。あゆみです。

ハワイには毎日、たくさんの方が日本から訪れています。今日も大手旅行会社のツアーラウンジには600名以上ものの方がやってきました。

最近はTVや雑誌でもハワイ特集が組まれ、さらにSNSの力も相まって、日本でせっせと働くサラリーマンやOLの皆さんにとって確実に憧れの地の王座へとついた、ハワイ。

各航空会社は日本とハワイを結ぶ便数を増やし、日本人にとってハワイは実質的に本当に身近なリゾート地になりました。

私がハワイの小さな旅行会社で働き始めてから、日本の人たちに向けたハワイの観光マーケティングが実はこういうものだったのだと気がついたことがあるのでまとめます。

ちょっと前までのハワイ旅行

ちょっと前、だいたい20年くらい前のハワイ旅行は、みんなツアーでハワイへ来ていました。ガイドさんと一緒に同じ観光地へ行き、同じレストランで同じメニューを食べ、ホテルに泊まる。ハネムーンも同様です。このテンプレート化された旅行が一般的だった当時、旅行業・観光業を営む人たちにとっては非常に潤っていた時代でした。

最近のハワイ旅行

インターネットが普及し、SNSで情報を得るようになった現代のハワイ旅行は20年前と比べて大きく変わりました。

まず、ハワイ初めてさんの数が減りました。今、日本からハワイに訪れる方の9割近くがリピーターです。ここまで「日本国ハワイ県」化してくると、当然ハワイに求められることも変わってきます。

「今までとは違うハワイステイを楽しみたい」

「ローカルの人たちが行くような穴場レストランに行きたい」

「観光客の少ないビーチへ行ってのんびりしたい」

こんな感じです。

ちょっとひねくれた私の見方ですが、おそらくこういう方たちは、ひと味違うハワイを体験してインスタでアピールしたい欲がある方たちなのではないでしょうか。

インスタでアピールしたい欲は私にもあるので、決して批判する訳ではありません。ハワイはつくづく「フォトジェニック」なロケーションが多いので、インスタ映えしますし、これによってまたハワイいいなぁと思う方が来てくれるのであればハワイの観光業は潤い、好循環となります。

そして、20年前はそれでよかった旅行業のやり方が通用しなくなりました。

リピーターが増えたこと、インターネットが普及したことにより、個人手配で来る方の割合が圧倒的に増え、一辺倒なツアーの販売ではやっていけなくなりました。今はWebさえあれば、スタートアップでもハワイの観光業に携わる仕事を始められます。Airbnbを利用するハネムーナーだっています。

実は守られているハワイの日本人観光客マーケット

繰り返しになりますが、日本のテレビ番組や雑誌、芸能人のインスタでハワイが取り上げられることが本当に多くなりました。でも、毎回毎回、ネタに事欠きませんよね。ハワイのオアフ島のワイキキやアラモアナなんてとても小さな世界なのに、なぜ?例えばこれと同じことを私の出身地である埼玉県吉川市でやったところで、こんな大きなマーケットにはなりません。

ワイキキやアラモアナエリアのお店が頻繁に変わるのもその答えの一つではありますが、私はハワイのプロモーションが多方面からされているからではないかと感じます。

というのも、私の旅行会社を利用していただくお客様にも「ローカルの人が行くようなお店に行きたいんですけど…」とラウンジにいらっしゃる方がいますが、結局そういうところって案内できないのです。

もったいぶっているのではなく、物理的に車でないと行けない場所であったり、リアルに教えて例えばお客様がトラブルに巻き込まれてしまうのを避けるためというのがあると思います。

ハワイは日本語も通じるし、フレンドリーな人も多いし、治安もアメリカ本土より悪くないとは言われていますが、実際は英語圏のアメリカですし、ホームレスの数は全米トップクラスです。(ハワイに来てホームレスの多さに驚く方も多いです)

そして、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ワイキキにあるフリーペーパーやヒットしているブログ、道端ジェシカなどハワイ系芸能人のインスタを見ると、大体紹介しているエリアは限られていることがわかります。西の方(ダウンタウン以西)の情報を全力でおすすめしている記事ってあまりありません。

ハワイにとって日本人の観光客はとても大事なお客様なのです。観光業に携わっていない現地の人でさえ、観光がないとハワイはやっていけないと言います。

そんな大事なお客様にはハワイで残念な思い出を作ってほしくないからこそ、エリアを確立させ、女子がときめくようなフォトジェニックな画像と共に紹介し、キラキラしたハワイステイをおすすめしているのが、日本人マーケットなのだと感じました。

あまのじゃくになる必要はありません。安全で、気楽に美しいハワイを楽しんで、また日本のコンクリートジャングルでの日々に備えてエネルギーチャージをするためにも、日本人マーケットにどっぷり浸かっていきましょう。20年前の人たちのように。