ぐらしあすの「切なき5角形」

父がろっ骨を骨折し、6月から約2か月間入院した。
ほとんどの間刺激のない生活をし、退院したのだがなんか様子がおかしい。

父は80歳を超えている。

最初は物忘れが激しいなとは感じていたが、今朝来た人のことや、来たという事実、そして薬の飲み忘れがなどが多くなった。

今から7年前に父は歩行が前のめりな小刻みとなり、これはおかしいと思い受診したら「正常圧水頭症」とのことで、シャント術(脳に管を通し、その管を腹部につなげて脳の液体を逃す)というオペをした。

それから約7年経った現在、物忘れが激しくなった。

オペを受けた病院とは違う病院(神経内科)を、ぐらしあすとともに受診した。

ドクターは父にいろいろテストをした。

「今日は何年何月何日ですか」との問いに、令和2年も答えられなかった。

その後ドクターは「サクラ、ネコ、電車」を何回か父に言わせて、他の質問へ。

「なんでもいいので一つ文章を書いてください」と。

父は、しばらく考えて、「今日はあたたかい」と書いた。
これは文章として理解できる。

そこでまた、ドクターは上述の3つのキーワードを父に尋ねた。
父は「サクラ、ネコ」までは答えたが、「電車」が出てこなかった。

その後ドクターは、5角形を一つ書いて、一部分が重なるようにもう一つ5角形を書いた。

「これと同じものを書いてください」と。

父は1回目の5角形は書けたが、もう一つ重なる5角形は、6角形となってしまった。

ぐらしあすは「あぁ…」と思った。

父の認知症の具合がわかるようでわからない。

ドクター曰く「認知症の始まり」だと。

ぐらしあすは父との葛藤があり、20年前に母が他界した後も、放ったらかしにしてきた。

ぐらしあすはとても切ないというか、何とも言えぬ気持にかられた。

それは、父に対する「後悔、感謝、未だに残る葛藤」である。

ぐらしあすは、父の住む家と一つ離れた他県に住んでいる。

ぐらしあすは、9月末をもって職場との契約を更新しないことにした。

それは正直自分のためである。そして少し前に他町に家を借りた。

時間が出来たので、父が何をどう感じ、どんな行動をするのかを、自分の目で確かめたく、少しの期間ではあるが同居しようと思う。

実家に帰るたび母の仏壇に唱えるこころの想いは「ごめんな。頑張るから見守ってください」。こればかり。

遅いけど、父と向き合うときが来たと強く感じている。

ディプレッションまっさかり。ぐらしあすの「こころの声」を中心に、自分が体験したことや、時折感じる何のエビデンスもない、主観の記事も徒然に書いていきたいとおもいます。よろしくおねがいします。