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オーナーもスタッフも長期休暇でリフレッシュ!それでも客単価アップ、収益増を実現した改革(イノベーション)とは?〜あめつちメルマガ【vol.13】

前回の記事では、お客様の要望にひらすら応え続けることが善ではないこと、むしろそれをずっと続けていくことでサービスの破綻に繋がる可能性が高い、ということをお伝えしました。

ここで改めてお伝えしたいのが、貴宿にとって本物のファンの存在を見誤らないでいただきたい、ということです。(これは逆に言えば、本物のファンの存在を見極めていただく、ということでもあります)

ファンの定義として、サービス提供者と顧客が「長期にわたって」良い関係性を築いている状態が理想だという前提はありながらも、その都度お客様の期待値を超え続け、サービスをアップグレードさせなければ成り立たないような関係性であったとしたら…。

それが仮にコンスタントなリピート客で、今後、長期顧客になる可能性があっても、決して健全な関係性だとは言えないのではと考えます。

もし、何かの事情で従前のサービスレベルに戻さざるを得なくなった瞬間に、「サービスのクオリティが落ちた」とガッカリされて、離れていってしまうことさえあるかもしれません。

そして、宿泊施設様の多くは、ここでジレンマに陥ってしまうケースが多いように思います。

なぜかというと、ここで、なかなか思い切った決断に踏み切れないケースが多いと感じるからです…!

思い切った決断とは、宿のあるべき姿にしっかりと立ち返った上で、
「できること・できないこと」の明確な線引きをするということ

この課題に向き合い、実行するにはかなりの勇気がいると思います。特に『やめること』『手放すこと』には恐怖感、喪失感を伴うため、頭では分かっていながらも、なかなか実行に進移せないということも多いのではと思います。

ただ、まだまだ数こそ少なくとも、このジレンマに向き合い課題を乗り越えられ、従来の形態から大きく改革されたことで、「本当に大切なお客様とより良い関係を築けるようになった」というお宿様が確かに存在することも事実です。

せっかくなので、その中から記憶に残っているエピソードを、一つご紹介したいと思います。

創業以来、おもてなしを第一に考えていらっしゃったその宿の支配人の方にお話を伺ったところ、こんなお言葉が返ってきました。

これまでは、24時間365日稼働して一生懸命お客様をおもてなしすることが大事だと、何よりそれが当館のお客様にとって良いことだろうと思い、ずっとそのことを最優先で経営を続けてきました。

でもある時、このままではお客様にとってはもちろん、自分たちにとっても良くない。このままではいつか自分も疲弊してしまう、との危機感を募らせたのです。

いつも笑顔で、良い状態でおもてなしをするためには、まず私たちサービス側が心身ともに健康で良い状態を保つことが大事。そして自分たちも楽しみたい。それができないなら、お客様にとって良いおもてなしもできないと。そんな当たり前のことに気づいたんです。

シンプルですが、そのことに気づいてから、やるべきこと・やらなくても良いことが明確に見えるようになったと思います。

これを聞いて、ハッとさせられました。

とくに心に響いたのは、「自分たちも楽しみたい」という一言でした。

日々目の前にはやるべきことが山積みで、イレギュラーな出来事にも臨機応変に対応しなければならない宿泊施設様にとって、仕事を楽しむという心の余裕は、なかなか生まれにくいかもしれません。

ただ、サービスする側が楽しむという姿勢はつい忘れがちですが、実はとても大事なことのように思います。

楽しい雰囲気、宿が良い状態であるかどうかは、目の前のお客様にも自然と伝播するものだと思うからです。

ちなみに、このお宿は、創業以来の理念に立ち返り、【しないこと】を明確にし、一方で【提供する価値(すべきこと)】を絞り込み、それを磨き上げることで、結果的に『宿泊単価をアップし』収益増と経営陣と従業員の長期休暇の取得を実現されました。

今後もおもてなしのクオリティを追求していくためには、自分たちが心身ともに良い状態をキープすることが大事だと考え、うまく休暇を取れる仕組みをつくるために、思い切って「稼働率を下げるために、宿泊単価を上げる」という方向に舵を切られたのです。

その結果、どうなったでしょう?

本当に宿を好きでいてくれるファンのお客様が残り、リピート利用してくださることで、以前よりも経営がうまく回るようになったそうです!

スタッフが休暇を取れるようになったばかりでなく、収益も下がらずに安定して経営ができていると喜んでおられました^^

もちろん、改革の途中では「せっかくの既存客を逃してしまうかもしれない」、「レビューの評価が低くなるかもしれない」といったマイナス面が心によぎることもあったそうです。

しかし、それ以上に、ここを割り切って乗り越えないと、いつまでもレビューの評価に翻弄され怯えながら、経営を続けることになる…。本当に自分たちの大切にしていることを伝えられないまま、宿を続けることになると考えたといいます。

一度立ち止まって、経営方針を根本から見直すことはかなり勇気が必要だったと思いますが、大事な課題に向き合わないままに経営を続けていくことの方が、この先長い目で見た時に、よりリスクが高くなると考えたのでしょう。

そして、勇気をもって踏み出されたからこそ、以前よりもずっと良い状態で、こうありたいという宿の姿を体現されています。

さらに、本当に大事な、厳選されたファンのお客様に愛されて、より良い関係を築かれていることも素晴らしいと感じました。

―――

多くの宿泊施設様は、「目の前の大事なリピート客を逃したくない」と考えるあまり、今もこれまでと同じようにサービスを続け、ひたすらお客様の期待値を越える努力を続けるということをされているかもしれません。

しかし、今回ご紹介させていただいたお宿様のように、勇気をもって立ち止まり、宿としてありたい姿の理念に立ち返って真摯に改革に取り組まれたからこそ、大きく変化された実例もあります。

もちろん、改革のプロセスの中で様々なハードルに直面することもあると思いますが、もし、今の状態に疑問や改善点を感じておられるとしたら、どうか勇気をもって取り組んでいただきたいと思います。

以前ご紹介させていただいた、こちらの記事が参考になると思いますので、ぜひこちらのステップに沿って、貴宿ならではの顧客体験を設計していただけたら嬉しく思います。



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