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唯一無二のおもてなしを実現するために〜今すぐ出来る3つのステップ ③あめつちメルマガ【vol.07】

前回のメルマガでは、他の宿にはない貴宿ならではの特別な体験やサービスを再構築する際に必要となる要素を、3ステップでご紹介いたしました。

今回は、前回の内容を踏まえて、貴宿ならではのサービスや理想のおもてなしの姿を描く上で重要な羅針盤となる、顧客体験の設計図=「カスタマージャーニーマップ」を作成する際のポイントを、シリーズ3回に渡ってお届けしてまいります。
 
今号では、前回の1に相当する「理解」のステップ、つまり徹底的に顧客と現場を観察して見えてきた結果から、現状のカスタマージャーニーを可視化するまでのフローを、まずはご紹介していきたいと思います。
 
それでは早速、本題に入りましょう。
 
わかりやすくイメージしていただくために、こちらの図を元に解説していきます。

あるアパレルショップの現状のカスタマージャーニーマップ

こちらは、お客様があるアパレルショップに訪れる時の、すべてのタッチポイント(顧客と施設、ブランド等との接点)を時系列に並べ、それらを『ステージ』とした上で、それぞれのステージごとに想定されうる、お客様の感情、思考、行動、さらに課題感をまとめた、「サービスの現状を落とし込んだカスタマージャーニーマップ」の事例となります。

※タッチポイント = 企業と顧客が何かしらの媒体を通して価値の受発信を行う接点

カスタマージャーニーマップの作成には、そのプロセスにおいていくつかのポイントがありますが、とくにこの最初の「現状のカスタマージャーニー」可視化のプロセスにおいては、一切のバイアスをかけずに、ありのままを記載いただくのが重要なポイントになります。

そのため、ここでは宿泊施設ではなく、敢えてアパレルショップを例に挙げています。
 
ではまず、一番上のステージの部分からご覧いただきましょう。
 
こちらでは「来店前」、「来店」、「回遊」、「購買」、「来館後」の5つに分かれていることがお分かりいただけると思います。
 
では、それぞれのステージにおいて、お客様の心にはどんな感情や思考が生まれ、どのような行動をされるでしょうか。
 
実はここで大いに生きてくるのが、前回お伝えした①、「理解」のステップの必須項目としてお伝えしていた、「お客様の観察と、それに基づいた深い顧客理解」です。

つまり、「現状のカスタマージャーニーを可視化する」ことは、貴宿のお客様をとことん観察した上で皆様が感じ取った、現在の宿のありのままの姿を、フォーマットに落とし込んでいただく作業
となります。


では、早速行っていきましょう。
 
たとえば、お客様と宿との最初のタッチポイントである「来店前」のステージは、宿泊施設においては予約前の段階――つまり、お客様がある宿(ここでは仮にA宿とします)に宿泊を決める前のステージに相当します。
 
この時、お客様は数ある選択肢の中からA宿を選ぶまでに、どのような手段(インタフェース)を使って情報を得ているでしょうか。また、知り得た情報の中に、お客様にとってどのようなメリットがあって、どこを魅力的に感じられたのでしょう?また、それはどのような点でしょうか?
 
この最初のタッチポイントでは、宿情報を知るきっかけは様々で、
 
たとえば、

・旅行に行きたいと思っていたタイミングでたまたまネット広告で見つけた
・ふらり立ち寄った書店で見つけた、雑誌の宿特集に取り上げられていた
・情報通の友人におすすめされた

 
など、「お客様が宿を選ぶ」という行為ひとつをとってみても様々なタッチポイントがあるばかりでなく、情報の受け取り方もネット、リアル店舗、友人の紹介と、あらゆる手段(インタフェース)があることがイメージできるのではないかと思います。
 
そのため、お客様が宿の情報を受け取るあらゆる接点を視野に入れた上で、それを知った時、お客様の心にどんな感情が生まれ、どのような理由のもとに意思決定をされるのか?を、ありありとイメージしてみてください。
 
 
続いて、「滞在中」のステージについても、触れておきましょう。
 
お客様の宿滞在時間は、トータルでおよそ19時間まで可能であるため、このステージはまさに「特別な顧客体験をつくる」上で、重要な鍵を握るステージになります。
 
では、実際に館内で行われているお客様の各ステージでの状態、①で書き出した、現在の宿の状況を、実際のフォーマットに落とし込んでいきます。

「予約前」のステージは入っていませんが、シンプルにお客様の宿での滞在時に起こりうるシーンを想定しています。

※宿泊施設にお客様が滞在される際の、カスタマージャーニーマップのフォーマット

 
こちらでは、チェックインに始まり、お部屋でお寛ぎになる時間、館内を回遊される時間、それから、お風呂、お食事、リラックスタイム、最後はチェックアウトまで、お客様が館内で体験できる全てのサービス、およそ館内で想定されうる全てのタッチポイントをイメージして、思いつくままに記載していただけたらと思います。

ちなみに、こちら滞在中のタッチポイントは、チェックインがスムーズになるデジタルデバイスが設置されていることや、リニューアルしたばかりの自慢の露天風呂が室内に完備されていることなど、いわゆるスペック的な要素に限りません。

宿泊施設において、お客様にとって特別な体験価値を生み出すのはやはり、おもてなしの心を体現されている一人一人のスタッフであり、時代が変わっても「人」は宿にとって大事な資産であり続けると思いますので、リアルな「人」を介した接点も忘れずに、必ず記載していただけたらと思います。

お客様とフロントでお話しされた時の会話の内容、表情、しぐさ、そして館内での行動にもしっかりと注目し、観察された上で記載してみてください。

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さて、これはあらゆる分野に通じることですが、「現状把握」は何をおいてもまず最優先して行うべきことです。
 
現状を無視して理想を掲げたとしても、何をどのように改善して、どんなイノベーションを起こしていけば良いのか方向性が見えないために、具体的な戦略やサービスプランに落とし込むことができないからです。
 
そのような状況を回避するためにも、まずはこのフォーマットに沿って、
現状のカスタマージャーニーの可視化に取り組んでいただけたらと思います。
 
繰り返しになりますが、とにかくバイアスをかけずに、お客様の様子をつぶさに観察した上で、良い点もそうでない点も、「現状をありのままに」書き出していただく、というのが、こちらでのポイントになります。
 
その目的が達成されるのであれば、多少間違っていても構いません。気負わずに、まずは現状を書き出すことを意識されてみてください。
 
次号では、今回の内容を踏まえて、こうありたい宿の姿【TO BE】のカスタマージャーニーマップの作成のポイントをお伝えしたいと思います。



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