見出し画像

「ファンを育てる」が重要な鍵!長期的な支持を得るための宿泊施設戦略〜あめつちメルマガ【vol.11】


こんにちは。

昨今、あらゆる業界で「お客様をファンにすることが大事」ということを以前にも増して、よく耳にするようになりました。

旅行業界も例外ではなく、国内では少子高齢化が加速する中で、新規顧客を積極的に獲得しようとするよりも、「既存のお客様をどれだけ大切にできるか。また、長くご利用いただけるかが重要」という視点に立って、宿改革に取り組み始めている宿泊施設様が増えている印象があります。

以前、メルマガでも少し触れましたが、コロナ禍で多くの宿泊施設が苦しい状況にあった中で、わずかではありますが、安定的に収益を上げていた宿があったことも事実です。

そしてそのようなお宿は、例外なく、既存のお客様に支えられていたという共通点がありました。

このことから、「一定数の上顧客(ロイヤルカスタマー)に支えられている宿は、いざという時に強い」ということを実感しました。上顧客は、いわば「ファン」のような存在ですね。

そこで本日は、ファンについての記事をお届けしたいと思います。


ファンとはずばり、どのような存在なのか?

では、ファンとは一体、どのような存在でしょうか?

「ファン」という言葉は世の中に溢れていますが、かなり曖昧な部分もあると思いますので、まずはここで、私たちの考える、ファンの定義についてお伝えしてみたいと思います。

ファンというのは、たとえばスポーツであれば野球ファンやサッカーファン、音楽であればロックファン、ジャズファン、クラシックファンといったように、各ジャンルに多岐にわたって存在していると思います。
 
もちろん、ファンに対する思い入れの深さや濃さは人それぞれで、その関わり方や距離感も自由で様々だと思います。
 
ただ、ここで一つはっきりと言えることがあります。
 
それは、本当の意味でのファンとは「長期にわたって見守り、どんな時も応援し続けてくれる存在」であるということ。

私たちは、ファンとは何か?の定義を、そのように捉えています。
 
なかには、熱狂する対象を見つけて「ファンになった」と盛り上がる人もいますが、一時的に夢中でハマったとしても、その後すぐに熱が冷めてしまうようであれば、それは本当のファンとはいえないと思います。
 
これはたとえば、音楽のヒットチャートや、連日メディアで取り上げられている話題のお店などをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
 
一時的にヒットを記録したり注目を浴びたとしても、1ヶ月後、半年後と、時間の経過とともに忘れられ、やがて話題にも上らなくなるケースは、世の中にいくらでもありますよね。
 
もちろん、それをきっかけにファンになる人もいると思いますが、そうならないケースの方が多いというのが実情だと思います。
 
そう考えると、「注目を浴びる=露出機会が増える」からといってファンになるわけではない、ということも見えてきます。
 

一過性の熱狂や表面的な好きとは違って、“深く共感できる”がポイント


では、本当の意味でファンとは、何でしょうか?
 
私たちは、
 
人、モノ、コトなど、対象となるものの持っている“本質部分”に、強い共感を抱いている状態
 
であると思っています。
 
もちろん、共感ポイントは千差万別で、仮に対象が人であった場合、その人物の物の考え方や嗜好性、ライフスタイルや生き様まで様々でしょう。
 
ただ、いずれの場合も、ある対象に対して自らの価値観や大切にしていることなどと深く共鳴し、喜怒哀楽の感情を投影できることが、重要なポイントになってくると思います。
 
ちなみに弊社代表は、俳優の高倉健さんの大ファンで、ファンの話をする時に必ず例に挙げてお話しされるのですが、どんなところに強く共感しているのかお聞きしてみると、

仕事に対するプロ意識が、本当に素晴らしい。あれだけ売れた日本を代表する俳優なのに、どんな時も謙虚で、まわりに対する感謝の気持ちを大切にしている姿、そんな男としての生き様に心からリスペクトしている

と、熱く語ってくださいました^^

そんな高倉健さんの生き様に学ぶことはとても多いようで、「自分もこんなふうにありたい」と、生きる上での指針になっているようです。
 
その言葉から、「本物のファンとは、こんなふうに人の生き方や価値観に深く影響を与え、どんな時も心の礎になってくれる存在なのだ」ということを実感した瞬間でした。
 
また、「独自の世界観に惚れる」ということも、ポイントになりそうです。


ファンの定義を、宿泊施設に当てはめて考えた時に見えてくること


では、「一過性の熱狂ではなく、長期にわたって見守り、どんな時も支え応援し続けてくれる存在」というファンの定義を、宿泊施設に当てはめてみたとしたら、どうでしょう。
 
ファン、すなわち、ロイヤルカスタマーに愛される宿とはどんな宿であるのか?ということの一つの解が、自ずと見えてくるのではないかと思います。
 
 
一つ例を挙げてみましょう。

2024年に新規オープンしたばかりの駅直結型のホテル。
立地、交通の便ともに抜群によく、最新の設備も導入されていて
デザインも秀逸。

オープニングキャンペーン実施中で、予約サイトでよく目にする。
短期間で何度もお客様が訪れていて、満室になることが多く収益も上がっているようだ。

さて、このホテルは果たして、ファンが多いホテルと言えるでしょうか?
 
もちろん、このホテルは今勢いがある旬のホテルであることは間違いありません。

立地も良く、清潔感もあって、リーズナブルな価格帯で泊まれるという多くのメリットがあるため、多くの方が訪れる理由はよくわかります。
 
しかし、その現象がもし一時的なものであったとしたら、今のお客様は単に目新しさや利便性にメリットを感じて選んでいる一般的なユーザーであって、ファンとは言えないのではないでしょうか。
 
 
また、上記とは別の視点から、高級宿を例に挙げてみたいと思います。
今度は宿泊施設側(サービス提供者側)の視点に立って、考えてみます。

館内に3部屋しかないロイヤルスイートに、年間で2回宿泊してくださったお客様がいる。このお客様は今年初めていらっしゃった方で、今のところ次の予約はいただいていない。

ただ、一回あたりの単価が高いので、上顧客リストに新しく追加しよう。

こちらのケースは一泊当たりの顧客単価が高い分、見極めが難しいところもあるかもしれません。

しかし、この場合も同様に「長期にわたって利用されているかどうか?」ということが、重要な指標になってくると思います。
 
来年、再来年以降もリピートして、同頻度でコンスタントに宿泊してくださるようになれば、上顧客と言えると思いますが、上記はあくまでも今年だけの情報なので、現時点では見えない部分もありますね。
 

ちなみにこれはやや穿った見方かもしれませんが、

「このお客様は、本当は近くの別の高級宿に泊まりたいが、毎回満室で予約が取れないため、致し方なく、近隣で同ランクの別宿を選んでいる」

という可能性もあります。

そう考えると、ちょっとドキッとしませんか?
 
この観点からも、上記に該当するお客様は残念ながら必ずしもその宿のファンとは言い切れないということが、見えてくるのではないかと思います。(少なくとも現時点では)

同時に、宿にとって、実はもっと大切にすべきお客様の存在も見えてくるのではないかと思います。
 

シンプルに、LTV(ライフタイムバリュー)を追求することも大事


つまり、仮にお客様の顧客単価が低かったとしても、
 
①    長期にわたって
②    継続的(かつ、数ヶ月に一回でもいいのでコンスタントに)


訪れてくれるお客様の方が、その宿にとっての本当に大切にすべきお客様である、ということです。
 
企業にとってある一人の顧客が将来長い期間にわたって、あるブランドの商品やサービスを利用し続ける価値を、「LTV(Life Time Value)」といいますが、まさにこの考え方がファンにも当てはまると思います。
 
繰り返しになりますが、宿泊施設においても

「一過性の関係性にとどまらず、長きにわたって顧客と深く良い関係性を築いていくこと」

が、今後ますます重要になってくることは間違いありません。
 
 
私たちが提供しているcocodake(ココダケ)は、「お客様がこれまで宿の知らなかった一面に触れることで、宿のファンになる」可能性を秘めたサービスとなっています。
 
cocodakeを導入された宿泊施設様からは、それまでHPではお届けできなかった幅広い情報をお届けできるようになったり、お客様からこれまでになかった反応を得られるようになったことなど、さまざまな嬉しいお声をいただいております。
 
次号では、お客様がファンになるきっかけやファンであり続けて頂くための具体的な方法を、弊社cocodakeの活用事例を交えながらご説明できればと思っています。
 
 
どうぞお楽しみに!



\「また泊まりたい」を加速するDX+ECはココダケ/
「cocodake(ココダケ)」は、宿泊体験DXと+物販EC機能を併せ持ち、
顧客満足度の向上、業務効率化と収益向上を同時に実現する、
ツーリズムコミュニケーションツールです。

現在、全国の宿泊施設様を中心に導入いただいております。
ご興味のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談下さい。



 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?