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フリースクール活動日記 2024/05/31-上野

 最近メンバーが一新され、過去の出来事を知らぬものばかりとなった。そんな中迎えた初めての雨中活動。いくつか案を出しているのだが、皆注意を他のことに向けてしまっており、いくら話しかけても返答が返ってくる様子がない。
 こいつらは、あの惨事を知らないからこんなことができるのだ。大激論によって2時間以上も昼食をほっぽりだして言い争い続けたあの日のことを。そうしていまさらながら、とあることを思いついた。それは、僕たちの苦労を疑似体験させるというもの。
 自分たちが聞かなかったことを悔やめばいいと僕、χαοσ、ヨッシーの連名で滝山城登山の案を提出する。自分の失敗は自分に返ってくるのだから、さきほどのように話を聞かなければ雨中登山となってしまうだろう。そんな状況でも彼らはこちらを向かない。それならばと雨中登山の覚悟を決めたのだが、慌てたのがemmanmoやチーくんなどの中高生メンバーにイマンモ・レイセンらスタッフたち。さすがに自分が登らなければならないために焦りが生じ、それは未だ選択肢に対して楽観的の新規メンバーたちに対する脅迫まがいの説得となって表れた。
「ねえ、このままでは雨の中登山することになっちゃうよ?」
「あそこの山は何度も遭難している場所だぞ!」
「絶対に違うところにしておけって。じゃなきゃ俺帰っちゃうよ!?」
同情心を誘うこれらの言葉に絆されたか、みな徐々に選択肢について考えるようになった。
 この時点での選択肢は5つ。うち一つは、僕たちが提案し、そのあまりの過酷さに自分たちも含めて皆が顔をしかめざるをえないであろう滝山城の雨中登山。城自体はそれほどでもないのだが、過去2回とも間違って堀切に踏み込んでしまい彷徨い歩くという事態に陥ったことがあるためこれは拷問以外の何物でもないように映っただろう。
 ほかには、現在SOMPO美術館で開催されている北欧の美術展。これは、あわや滝山城に決まりかけたのを見て慌てた僕が選択肢の一つとして新たに提示したもの。しかしながら、これは年少メンバーの関心を引かないであろうことはこの時点で分かっていた。
 博物館と違って美術館は所蔵量もそこまで多くない。70点あるとはいえ、おそらくすぐに出口へと向かってしまうことだろう。よってこの選択肢はあまり皆の気を引かなかった。
 ほかには高尾山口のトリックアート美術館、葛西の地下鉄博物館、そして上野国立科学博物館の特別展「大哺乳類展」の3つ。うち地下鉄博物館は人気がなく、トリックアート美術館は高尾山の麓であるため僕たちが勝手に山に登ってしまうことを恐れたのかあまり票が入らず。大哺乳類展が圧倒的に高評であったため目的地はこれと決まった。
 そして当日。電車の乗り継ぎなどを間違えたために若干遅れて上野駅に到着した。すでに現場ではχαοσ、ヨッシーらによる強硬論が支持され僕は置いていかれることに決まっていた。そこで僕が改札をくぐろうとしたまさにその時、携帯が鳴ってイマンモからemmanmoを残してあとは全員先へ進むこと、emmanmoと合流して後から来ることなどが送られてきた。
 だがしかし、僕は気付いた。先年上野動物園へ行った時以来してこなかった間違いを犯してしまったことに、いまさらながら気が付いたのだ。僕は不忍改札をくぐってしまっていた。もう不忍池を経由するしかない。そのことをイマンモに連絡したのだが、どうやら向こうにとっても想定外の事態であったらしい。僕が公園改札を使わないのであれば、そこにemmanmoがいても何の意味もない。そういったわけですぐに前言撤回され彼らは一団となって先へと進んでゆく。

 それに対して、僕はあちらこちらを彷徨するばかり。なんとか不忍池から脱出し大噴水の近くまではたどり着いたものの、そこで再び路頭に迷うことになる。なぜならここ上野はよく来る場所。マティス展の時は東京都美術館、金色堂の時は国立博物館。ほかに国立西洋美術館などもあるのだから、いったいどの建物が国立科学博物館なのかとっさには判別できない。
 そういった困難を乗り越えて国立科学博物館についたときにはやはりすでに皆の姿はない。よほど慌てていたのか、とくに解説なども見ずに展示室に駆けこむ。少しでも長い間見ていたいからという欲望によってであった。

クジラの心臓。1分間に2度しか鼓動せず、その大きさは高さ166㎝も

 入り口に踏み込むと、見知った背中がいくつか。そこまで遅れてはいないことに安堵しつつ、ふと辺りを見渡すとそこには圧巻の光景が広がっていた。

右上はライオンメス
左下は性別不詳のレオポン

 あちらこちらにある剥製、標本。それと若干のレプリカ。それらを観察しているうちにふと解剖の経験が鎌首をもたげてくる。そうしてよくよく見てみたところ、これらの剥製はみな一様に腹を開いて内臓などを取り出していることが分かってきた。けれども作業中の不手際か何かなのか。ライオンの剥製では足の皮を開くときに一直線でなくなってしまっている。これでは見ればわかるとおりに見栄えが悪い。それとも、実は罠猟であったのか。これらはすべて狩猟されたものということだが、くくり罠であったために後足の皮が損傷してしまったのだろうか。
 ほか、この後ろにあった鹿などの頭部剥製。これはかなり高いところに飾られているためか首の後ろ側を開いてある。もしかすると、剥製にした段階でどのような形でどのような場所に飾るかわかっていたのだろうか。もしそうだとするならばかなり計画的ですごいものだが。さすがにそんなことはないだろう。
 そうしてしばらく進んでいくと、突然開けた場所に出る。こここそが今回の展示の目玉「動物の大行進」だ。そしてその手前にあるゾウの骨格標本。そこでしばし休憩を取る。何故ならばこの先はかなりの人混みであり、そこに踏み込むことはかなりな勇気を必要としたからだ。

 まずその手前の標本などを見つつ、ゾウの大きさに唖然とする。だが、実はもっと恐ろしいものが奥に潜んでいた。このゾウは骨格のみであるからそこまで重くは見えない。だが、あの奥にいるヤツは違う。あんなのに踏みつぶされたらひとたまりもないだろう、そう思わせる剥製であった。しかしながら今はその話をする時ではない。それはもっと後に回して、今はこれらの剥製に見惚れることにしよう。
 そんなこんなで液浸標本や骨格標本、剥製などを見て回り、そこに透明骨格標本がないことを残念がりながら(あれは基本的には小動物専用のもであるためだろうか。哺乳類に対して使っているのは、マウス以外に見たことがない)も、イルカの骨格標本頭部にあいた穴を見て脳を引きずり出した穴であると考察する。なぜかといえば、僕も解剖実習で鶏の頭骨骨格標本を作ったときに同じことをしたからで……
 さらにその先、この日初めてχαοσが重度のネズミ嫌いであることが判明したわけだが、そんなネズミたちの頭骨骨格標本が山となっておかれている。欲しい。G先生の所属する頭骨ネットワークではキョンなどが駆除されるたびに物々交換しているというが、それでも先生の見せてくれた頭骨コレクションは鹿、カモシカ、コウモリ、キョン、キツネ、タヌキ、イノシシ、クマ、ウマやカメ、イルカ、サル、アライグマ、ワニ、ハクビシン、ウサギ、ネコ、ミンク、ブタ、アナグマなど28種のみ(のみという言い方は可笑しいが)。ここにはネズミだけでそれ以上の数が置いてある。欲しい。普通の博物館などには頭骨の類は置いていない。それに比べてこの場所はどうだ。おそらく100種ほどの頭骨が常設・特別展には置いてあるだろう(確実にもっとある)。僕もそれが欲しい!
 ここにはサル・ネズミ。ウマ・クジラ・ゾウなどの頭骨・骨格の標本が山とある。僕にとっては宝の山だ。全て持ち帰り、家において飾りたい。置き場所は絶対に足りないが、それがどうした!
 これが常設展であるならばよい。だが、これは特別展。いつまでもやっているわけではないのだから、じっくりと見て記憶に残しておくことにしよう……やはり、持ち帰ることができたら一番良いのだが。

 一度すべて見終え、退場しようとしたときに思った。これでいいのか、と。たったこれだけの時間しか見ていないで果たして頭骨好きと呼べるのか、と。自問自答した後、僕は「再入場不可」とある出口の前で踵を返し最初の場所へと戻っていく。
 これまで僕はレイセン達と共に歩んでいた。ボートさんは早々につまらないと騒ぎ出した年少メンバーを引き連れて地球館・日本館へと姿を消した。しかしながらここでレイセンは出口へと姿を消した。ネズミ嫌いのχαοσたちを引き連れて。残るはイマンモのみ。過去一度、靖国神社にて連絡されていたことに気が付かなかった経験があるため今回は常にスタッフとともに行動するよう心掛けている。
 そのためにこの後はイマンモグループに同行し、これまであまり時間をかけていなかった標本たちをじっくりと見てゆくことに。
 イッカクの骨格標本、ツチクジラの骨格標本、キリンの骨格標本などを目を見開いて眺めた後、名残惜しいながらも時間に押されて次の場所へと向かう。そこでは大量のイルカ・シカ・イノシシなどの頭骨(とはいっても10個ほどしかない)があり、更にその隣には臓器の標本があったのだ。それは「胃」。食道の最下端から十二指腸の入り口のあたりまでが切り取られて展示されている。

 なんだかすえたような匂いが漂ってくるが、それがどうしたことか。これまで臓器の標本はあまり見たことがなかった。見たい。もっとじっくりと見たい。さすがに好きな時に見たいとは思わないが、それでも。それだからこそ今のうちにじっくりと見ておきたいのだ。
 そうしていよいよ場所を移し「大行進」の最後へと至った。こちらには大型動物が多い。おもに食肉目だ。一昨年解剖したハクビシンの剥製を見て過去を懐かしんだり、また最近佐久・小諸近辺に押し寄せてくる可能性が指摘されているというアライグマの剥製を見たり(昨年12月時点では軽井沢に大攻勢をかけていたとのこと)、またここで一番好きな剥製・標本を選ぶということも行われた。家に持って帰るとしたらどれが良いか。僕はこれまで一番大きいトナカイの剥製がとても雄々しく美しく見えたためにそれに決定しようと考えていた。だが、ここにきて決意が揺らいでしまった。目の前にあるのはカワウソの標本。小さくてとてもかわいい。これもいい。だが奥に見えるテンかイタチの仲間であろう小動物。これもいい。口に何かの鳥類の剥製を加えている。一粒で二度おいしいとはまさにこのこと。

 そうしてついに、大型肉食獣のもとへと足を進める。もはやこれに勝つ光景も逃げ出すことのできる光景も頭に浮かばない。こんなものを相手にしているのであれば、あれだけの死者を出すのも当然であろう。三毛別を襲った熊は冬ごもりできなかった個体であるため体ももっと大きかったはず。冬の開拓村を襲われて、よく死者7名負傷者3名で済んだものだと考える。こんなものに人間が立ち向かっても何もできないだろう。詳しくは、吉村昭の「羆嵐」を参照されよ。

右側が白熊、真ん中が羆。これらを見てから目を左側に移すと、
そこに見えるナマケグマには1対1でも勝てるように思えてしまう。

 その他セイウチやラッコなどのいわゆる海獣を見て、このコーナーは終わり。あまりにも「オッサンくさい」と皆に言われ、また周りに居るオッサンと比べてもやはりオッサンであった動物を見て、いよいよ「大行進」を見終えることになる。

このオッサンのような動物こそが、先ほど書いた「踏み潰されたらひとたまりもない」動物
アザラシの一種だ
ところで、しごくどうでもいい話ではあるのだが、この「ミミセンザンコウ」の剥製の上になにやら砕け散ったフレークのようなものが積み上げてあるのが分かるだろうか。これは、見る限りではセンザンコウなどの甲羅の残骸であるように思えた。左上にあるものもいくつか破損してしまっているのだから、おそらくこの仲間は剥製とするのが難しいのではないだろうか。きっと、甲羅と骨との間を筋肉などが埋めており、皮膚が薄く標本とできなかったのであるように思える
特に、この「ミミセンザンコウ」の標本の右手側を見てほしい。なにやらはみ出しているのが見える。綿だ。きっと、この標本づくりは難航であったに違いない。そうしてその涙ぐましい努力の跡を皆に知ってもらうべく、ここに残骸までをも展示してあるというわけなのだろう

 やはりどうでもいい話だが、その最後の部屋にあったサイの図があちらこちらに装甲版と突起を張りめぐらした戦車のように見えてしまったのは僕だけではなかったはず。どう見てもあの背中は開いて人を乗せるようにできているし、あの突起からはきっとレーザーか何かが出るに違いないのだ。
 こうして特別展を見終え、中庭で弁当を食べる。この時も雨がパラパラと降っていたため比較的早く食事が終わり、すぐに午後の予定についての議論が始まった。主に反応は二つに分かれ、「地球館」へ行くグループと「日本館」へ行くグループである。もっと細分化することも可能ではあるが、主にこの2グループが中心である。
 けれども何はともあれ皆はじめは日本館へと入る。そこで「海洋無脊椎動物展」をまずは見るのだ。螺鈿細工などについての解説もありそれにも目線を向けていたのだが、一番興味が向いたのは「海洋無脊椎動物」の幼生についてのものだった。一番覚えにくいものは、ウミユリが「オーリクラリア→ドリクラリア→システィジアン→ペンタクリノイド」。もう一度言ってみよう。
「オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド」
ボートさんへの対抗意識からか、この鉱物のような名前を諳んじることに全力を傾けた僕はそれを暗唱しつつ次の展示へと向かう。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。

このときイマンモグループ、ボートさんグループに加え年少メンバーを引き連れたレイセングループが誕生していた

 そして日本館の中で一番剥製のいる部屋へと突入した。このときまで僕がウミユリの幼生を諳んじているとχαοσがカタカムナを唱えて邪魔をしてきたため鬱陶しく思っていたところ、まさに天啓というべきか。χαοσに対抗する策が授けられた。さっそくそれを試してみたところ、効果は抜群。入った部屋の入り口に見えたネズミの剥製に指向けた瞬間、彼は悲鳴を上げカタカムナ音読を中断、それどころか踵を返して部屋の外へと逃走するところにまで発展した。その後安心してウミユリの幼生の名前を唱えながら見たところ、それはネズミではなくモグラの剥製であった(もっとも、彼曰く「モグラでも嫌だ」)。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。まだまだ言える。
 結局その後、χαοσはその部屋に入ってこない。シカやクマの剥製を見ているその間にも、部屋に入ってこないどころか姿すら見えない。入り口のところにも姿がない。少し、やりすぎてしまったか。

 そうして部屋を出ると、彼はぐったりとした様相でベンチにもたれかかっていた。その顔は予想に反して責めるような色を浮かばせず、ただただ諦観したような顔でうつろに笑うばかり。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド、そしてウミユリ。
 そうして日本館の目玉?であるフタバスズキリュウの展示されている部屋へと入る。ここでもヨッシーが目ざとく見つけた「ネズミの爪、骨格」なるものを見てχαοσが条件反射として逃走しようとするのをほほえましく見守りながら―どうやら彼はカピバラなどを見ることは問題ないようだ。おそらく「ラット」以上であれば問題なし、「マウス」以下が駄目なのであろう―も暗唱を繰り返す。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。

どこへ行こうと、ネズミを避けて通ることはできないのだよχαοσ
そういえば、奥多摩の古民家でも合宿中にネズミが……

 そうして日本館の全ての展示を見終えた我々は、とある、傍から見れば愚の骨頂にすぎないであろう暴挙を冒すこととなる。この日本館の入り口には「フーコーの振り子」というものがある。
 この愚挙はレイセンの呟きから始まった。しかしてその「フーコーの振り子を誰が一番長く発狂せずに見つめていられるか」という発言を我々は聞き逃さなかった。かくして、一度決めたことは可能な限り続けようとする僕、ヨッシーを擁するボートさんグループはフーコーの振り子に縛り付けられることとなったのだ。

 だが、いつまでいるか指針がなければならない。そこで、とある数値を終了の合図として定めた。この「フーコーの振り子」は振り子時計でもある。よって、この時計で14時と15時との間の5つの目盛のちょうど真ん中、30分の表記へと到達したときに止めることに決定した。その間はじっと見て待つ。メンバーは僕、ヨッシー、χαοσ、ボートさん。ただ待つ。けれどもそれでは飽きるから、定期的に復唱しなければ。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。まだ記憶に残っている。

 ひたすら待つ。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。まだ覚えている、大丈夫。それにしてもこの目盛は一向に進まないが、故障でもしたのだろうか。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。

 やられた。数値が目標の1つ手前まで行ったというのに、再びそこから戻っていってついには14時の目盛まで戻ってしまったではないか。いったいどうしたことかと途方に暮れつつオーリクラリア…を諳んじていると管理員と思われる人物がやってきて、軌道を修正し始めた。もはやこれでは正確な周期かどうかはわからないが、それでもここに縛られ続けるよりはましであろう。どうもありがとう、オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。
 しばし一緒にいた幾人かのメンバーが、僕たちの守備のすきをついて逃げ出していった。軌道もこれで元に戻ったはずなのに、やはり一向に目盛は増えようとしない。これはいったいどうしたことか。がんばれ!オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。
 ついにボートさん、χαοσに加えてヨッシーまでもが去っていった。代わりにやってきたソースやemmanmo、イマンモやリクトンらを加えてみるも、やはり一向に数値が戻らない。ウミユリの幼生のことばかり考えていたからなのだろうか。しかし、ボートさんに対抗するためにはこれを諳んじて見せなければならないのだし、しかたないことであるのだ。

 やった!ついにやったと思ったのもつかの間すぐに数値は元へと戻る。しかし一瞬でも数値が目的の値に達したことは事実。すぐにまた戻るに違いない。そうなれば、ようやくここを離れることができるというものだ。

 すでに集合時間は過ぎている。というのに、ここでは何名かが未だに集合場所にやってこないそのうち一人は、僕。集合場所の目と鼻の先にいるというのに、フーコーの振り子が再び目盛を減少させたために離れることができないでいる。もう一人は、なぜか途中退出不可の360度シアターへと入ってしまった(?)白兎。この2人を待つために皆は少なくない時間をそこで浪費していた。ようやっとやってきた僕たちを迎えてついに博物館から解放され、彼らの顔は希望に満ち溢れていた。
 最後に、国立西洋美術館での皆の行動を載せて終わりとする。オーリクラリア、ドリクラリア、システィジアン、ペンタクリノイド。これらはすべて、3日後になっても覚えていることに成功した。

地獄の門

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