Ep17.自分が楽しまないと人は楽しませられない 新潟編1
2001.3.27
午前6時半起床。KIOSKの店員さんが朝刊を整理していた。これ以上寝ていては営業妨害だ。小雨が降っていてかなり冷え込む。
7時5分発の北陸本線に乗り日本海沿いをひた走る。糸魚川で10分停車、煙草を吸いにホームへ出たら彼方に雪に覆われた山が見える。駅員さんに「あの山は何ですか?」と訊ねたら「黒姫だ」と教えてくれた。天気は良いが空気が冷たく瑞々しい。
トンネルが多くいくつか山を越え走っていると「トンネルを抜けると雪国・・・」じゃないが、ガラッと天気が変わる。
青海(おおみ)では穏やかで美しかった海が有間川ではこれでもかって位高い波しぶきを上げて荒れ狂っていた。
長岡で下車してロッテリア(平日半額)で昼食。再び汽車に乗り込んでまだ明るいうちに新潟駅に着いた。駅を出てみるととにかく寒い!にもかかわらずロータリーで演奏している少年を発見。友達の家が火事で全焼したのでカンパ金を集めるため毎日演奏してるそうだ。それを聞いてカンパしない訳にはいかない。少ないが500円カンパした。
そして俺はと言えば・・・「こんな寒さでは外で演奏できない!」とかなりテンションダウン。今夜はかつてのバンド仲間のハタさんにお世話になる約束で、それまではかなり時間があったがその大半をデパートの中で過ごした。
午後6時半ハタさんと久々に再会。仕事が長引いているのに抜け出して来てくれた。居酒屋で夕食をご馳走になり、また仕事に戻らないといけないらしく「妻がが用意してるから先に家に行って飲んでてくれ」と言ってくれた。
この時点で俺は「今日は寒いし演奏は無しにしてハタさん宅でゆっくり休まして貰おう」と思っていたが、飲んでいるうちに気分良くなってきたので、少しだけ演奏してからハタさん宅に向かうことにした。
ハタさん宅方面のバスを確認したら発車まで50分くらいある。40分くらいは演奏できるだろう。サイモン&ガーファンクルを歌っていたらおじさんが500円入れてくれた。
それからオリジナルを何曲か演奏していると遠くでサングラスにサイケなズボンをはいた、一見するとHIDEのような雰囲気の青年がこちらを見て聞いてくれていた。声をかけてチラシを渡そうとするが会釈するだけで受け取ってくれない。
(ちょっと恐い兄ちゃんかな?)
何曲か演奏していたらやっと近寄ってチラシを見てくれた。すると・・・
「俺も前日本一周した事あるんですよ。これで何か美味い物食って下さい」と言っていきなり1000円札を入れてくれた!
恐い兄ちゃんだと思ってごめん!だから人は外見で判断しちゃいけない。こういうのはホント嬉しい。彼にCDをお渡しした。(500円引き)
更に演奏してると遠くで女の子が聞いてくれてる様子。声をかけてチラシを渡す。これから夜行バスで大阪に向かうというアヤコちゃん。「遠い空へ」「夏の終わりに降る雨は」と唄ったらかなり気に入ってくれた様子。それから明るいノリの「LOVE IS MAGIC」を披露。楽しそうに聞いてくれてるのが嬉しくて歌っていると自然に身体がスイングしてきた。最後にSMAP セロリ。
遠い空へ(2002年 デビューCDより)
http://a-universe.jp/wp-content/uploads/2017/11/ToiSorahe.mp3
LOVE IS MAGIC(1998年頃のデモより)
http://a-universe.jp/wp-content/uploads/2021/03/LoveIsMagic.mp3
夏の終わりに降る雨は(2002年 デビューCDより)
http://a-universe.jp/wp-content/uploads/2021/03/NatsunoOwariniHuruAmeha.mp3
楽しかった。余計なことは考えずに歌おう。音を外しても、コードを間違えても良いやん。自分が楽しまないと人を楽しませることなんて出来ないよね?そう思った夜だった。
アヤコちゃんにも「旅のお供に」とCDを500円引きで買ってもらいこの日は演奏終了。ハタさん宅に移動した。
ハタさん宅では奥さまお手製のカレーをいただき、先に始めさせてもらう。やがてハタさん本人も帰宅、3人で飲んで色々話をして盛り上がった。そして温かい布団でぐっすり就寝。野宿にもかなり慣れたが布団で寝れるのは本当にありがたい。感謝!
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