忘れたくない日常

　来月から保育園に娘を預けて復職することになったため、残り一か月、娘とべったり過ごす日々を大切にしたい。少々家事は手抜きでも、娘とボールや積み木やおもちゃで遊び、お散歩をし、ベビーカーに乗せて児童会館に行き、ごはんやおやつを食べ、一緒にお風呂に入って、隣で眠る。ごはん支度の時だけは、Eテレを見てもらう。
　そんな日々がとっても愛おしい。季節も最高で、家に入る日差しにまぶしい顔をする娘の横顔は、私が今まで見たどんなものより美しい。

　そんな日々の中で、ああ、このシーンを忘れたくないなぁ、と思うことがよくある。記憶に残したいけれど、記録もしておきたい。

・児童会館で遊ぶときは基本ひとりだけれど、たまに偶然同じおもちゃで　　　　お友達と遊ぶこともある。そんなときは、ママ同士も少し話したりして、交流が生まれる。今日は、娘が同学年の女の子と同じ段ボールに入りたそうにしていたら、その子のママから「一緒に入ろうか」と声をかけていただいた。入ったら、お互い一瞬目を見合わせて、そのままうつむき、不満そうにしていたふたり。私たちはなんで？と爆笑。かわいいな、小さいふたりは何を考えていたんだろう。

・今、娘は一歳三か月。最近になって、発語がでてきた！
もしかしたら、言葉遅いのかな？と心配になりはじめた頃だったので、ホッとした。私や夫の両親から「しゃべった？」と聞かれるたび、「まだです、遅いんですかね」と返すのにすこーし疲れていたから・・・
まだまだだけど、しゃべれない感じもとってもかわいい。

　ヴァヴァ（パパ、ママ、ワンワン）
　ジャジー（バイバイ）←手を振るのは１歳くらいからしていた。
　あんまんまん（アンパンマン）←一回だけ呼んだ気がする。
　ててて？（開けて？）←お願いごとのときにめっちゃ言う。かわいい。

・最近、食べムラがでてきた。ごはんやパンは比較的食べていたほうなのに、ここにきて炭水化物をあまり食べてくれない。好きなのは、たまご（スクランブルエッグ、たまごやき）、お味噌汁、トマト（皮は吐き出す）、ヨーグルト。これくらいしか食べてないのに、しっかり体重も増えているのが、すごいなぁと思う。

　小さな手。小さなお口。むちむちの太もも。かわいいあんよ。全部がかわいくて、成長がとまってほしいと思うことすらある。こんなにかわいい生き物がこの世には存在するんですね？と空に向かって心の中でつぶやく日々。

　なんと表現したらいいのか難しいけれど、そう、娘を眺めながら過ごす日々に、私は「救われている」。なにかを見つめるキラキラした目や横顔に、すっと眠る寝顔に、触れるたび。こんなに美しいものを見せてくれてありがとうという気持ちになる。
　娘は私にたくさんの「はじめて」をくれた子。母親にしてくれた。抱っこの重みとあたたかさを、赤ちゃんのにおいを、成長のまぶしさを教えてくれた。それは私にとって、かけがえのないギフトだと思う。いつか死ぬときに思い出す風景は、この日々かもしれない。忘れたくない日常だ。