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月の影

夜だというのに、自分の足元から影が伸びていた。

ふと見上げると、月が異様に白く発光していた。

空はそれに照らされ、黒くなりきれず紺色をしていて、雲が一つだけ浮かんでいる。

こんな夜らしくない夜が、愛おしくて切なくてたまらないのは、きっと誰の目から見てもそうなのだろう。

でも今だけは彼との間だけのものだけであってほしい。

幸せな子供時代の続きを辿るのは、彼とであってほしい。

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