暑がり君、寒がり君
ぼくは暑がり君。とにかく夏が苦手です。太陽のパワハラとしか言いようがないじゃないですか。「日焼け」って。「焼け」って。ヤクザの落とし前ですか。
そして汗。汗が止まりません。デリケートなぼくのお肌はベタベタが耐えられない。あせもができます。ううう、こんな仕打ち。ぼく何か悪いことしましたか?
不本意ながら体内からどばどば出てしまう水分を補うために水筒を持ち歩かなくちゃならない。重いです。荷物が。ぼく、ひ弱なのに。
ヤクザの親分、太陽との激闘ばかりに気を取られていると、他にもいるんですよ、敵が。電車やお店のクーラー。いや冷やしすぎでしょ!? 温度差! ぼくのガラスのハートは急冷により粉々ですよ。
ふらふらで自宅に辿り着いたら即シャワー。ああもう、洗濯物の増え方が尋常じゃない。
元気が出ないから、なんか素麺ばっかりになっちゃう。冷やし中華とか。そんでアイス食べて。ほうら、また新たな刺客の登場です。夏風邪。暑い。暑いのに変な悪寒がして布団にくるまってなきゃならない。もう勘弁してください。降参です。
ポストに電気代の請求書が入っていました。¥9,083。
嗚呼!! 夏!!
俺は寒がり君。冬の野郎はクソ喰らえ。おい雲てめぇ、日差し、さえぎってんじゃねぇぞコラ。風もビュービューうるせぇ寒いっつってんだろうが。
こちとら末端冷え性なんだよ。ホッカイロ仕事してんのか。またシモヤケ増えてんじゃねぇか。
ぶくぶく着膨れしてコートが重、い、ん、だ、よ! ただでさえ身体が縮こまってんのに肩こり悪化するわ。
ってコラ電車、暑すぎんだろうがバカなのか。どの店行っても、厚着してんだよこっちは! ヒートテックの中、汗ばんでんぞ。それでだ。外、出るぞ? 出た。ほら言わんこっちゃねんだ極寒だよ。さっきの汗が氷水だよ。
セーターの洗濯もクソ面倒くせんだよ。二、三回着てから洗おうと思ってるうちに、どれを何回着たのか分からんなるわ!
あー、寒いから鍋だ鍋。水炊き、キムチ鍋、ちゃんこ鍋、豆乳鍋。レパートリー多いようで一週間に何回鍋すんだよ。
おいおいおいおい、今日の汗冷えたので風邪引いちまったじゃねぇか。熱だりぃ、暖房つけて布団かぶって、、って蒸すわ! 寝汗かくわ!
栄養摂らねぇとだな。野菜多めのうどん……「鍋」焼きうどんじゃねぇか!
あーー、電気代の請求書、来てる。¥8,964。
ぶん殴るぞ、冬!!
「ねえ、がりがり君」
「ん?」
「きみ本当に夏と冬とでキャラが違うよね」
「よく言われる」
おわり
〔補足〕
がりがり君を苦しめるものは夏も冬も、
外気温、皮膚の炎症(あせも or しもやけ)、重さ(荷物 or コート)、エアコンの温度設定、洗濯物、偏食、風邪、電気代、
という構成になっています。
暑すぎるのも寒すぎるもの、どっちもいやですよねえ。
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