教習日誌 その17


13時間目「卒検」?

台風が直撃。
2日後に延期とのこと。
丸3日空いてしまうけど、もう仕方ない。
仕事とか休めないし、補習も有料だし。


しかし……せめて、もう少し早く言って欲しかった。

駐車場から車校まで歩いただけで、もうずぶ濡れだった。

不完全燃焼のまま、数日を過ごすことに。


13時間目「卒検 ①」


朝から猛暑。
待合室は、高齢者の方々。
テレビでは、スケボーのスーパーパフォーマンスのニュース。
すごいなぁ、あんな大舞台で、ちゃんと成功できているんだな。

時間になり、コースが発表される。
早速、車庫に行き、プロテクターの準備。

車両は、1号車だった。
この前、3号車にしてくれるって言ったのにな。
1号車乗るのは、実は初めて。
実際に慣らし走行してみると、シフトペダルが固くて、なかなか上がらないけど、できないことはない。
クラッチレバーはいい感じで、発進に不安はない。

試験官は2人とも見たことない人。
でも、見た目は優しそうな初老の方。

思ったより落ち着いて、順調に課題をこなせていった。坂道発進、一本橋、クランク、S字……。苦手な急制動も、ギリギリセーフ!
鋭角の右折、踏切からのスラローム。
そう、このスラローム。
練習では、8割くらいの成功率だったから、大丈夫だと思ってた。

シフトチェンジして、車体を曲げる。1つ目のパイロンをクリアして、ハンドルを曲げようとしたとき、

ドゥルルンッ!!

手首に力が入って、アクセルが回り過ぎた。
タイヤがパイロンに接触……!!
検定中は、パイロンに接触すると一発で不合格。

ぁあぁあー。。
終わっちゃったー。

もう、めっちゃ悔しい。
ここまでうまくできたのに……
なんかもう、自分が情けない!!

「次のために、残りのコースを走っておきましょう」
と無線の指示が入る。

そうだ。
気持ちを切り替えて、最後まできちんとやろう。

残りを丁寧に走って、検定終了。

「惜しかったですね」
「……はい、ありがとうございました」

次の補習と検定の打ち合わせをして帰る。

この後、仕事に行く。
夕方には、子どもたちを迎えに行く。
落ち込んでいる暇はない。

でも、悔しい。凹む。
本当は、早く合格して、この緊張から解放されたかった。

気持ちが凹んだまま、職場に行く前に、実家に立ち寄った。
先週、忘れ物をしていたのだ。
取りに行くことは伝えてあった。
誰もいなかったけど、お母さんの書き置きがあって、「炊き立てごはんあるよ」って。

10時半だったけど、炊き立てごはん食べた。
じんわり温かくなった。

通販で頼んだTシャツが届いていた。
日本一有名な、某バイク屋さんのサイン入りである。

合格して、これ着たかったな。
我慢できなくて、試着してみる。
ちょっと大きい。
でも、ブカブカのTシャツ着た自分を鏡で見て、なんか笑えた。

ちゃんと補習受けて、次こそ合格しよう。
それで、見守ってくれた人達に「ありがとう」を伝えよう。

やっと、ここまで来たんだもの。
自信を持って、卒検に臨みたい。

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