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あめじろう
2017年5月4日 20:44
しっとりとしたアスファルトの上を駆けていくたびに、僕の雨色の長靴は、飴玉みたいな滴を、ぽろぽろとばら撒いた。それは、互いにぶつかり、ぱちんと弾け、雨の香りを放つ。海色の傘の上でころころ転がった雨粒は、空色の雨合羽を滑り台にして、足元の水たまりに飛び込んだ。水面の弦を弾き、波紋が幾重にも重なっていく。潮騒だろうか。あれは。じゃぶじゃぶと水たまりの波を掻き分け進むと、噴き上げる水の
2017年5月8日 22:41
どうぞ。お受け取りください。これで涙を拭いてください。 アスファルトに張り付く影は短いので、ともすれば消失しているでしょう。突き刺す陽の光はあまりにも正しく、見上げることは憚られ、俯くばかりでしょう。こぼれる涙は、一瞬のきらめきさえも許されず、鋭く頬を切った後、湯気となって天へ昇っていきます。せめて、あの傲慢な陽の光を遮る雲の一部となりますように。ふいっと風が吹いて、一枚がひ