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今更ながらBANANA FISHを見た。

80年代の世界観が好きでよくPinterestで画像を見ていて、その度に出てきたアノBANANA FISHをついに見ました。
ついに見てしまいました。
現在時刻は2時。
寝落ちしていた3時間を借りて感想を書きたいと思います。
寝れねぇよ……。(と言いながら寝た)

以下ネタバレしないゾーンとするゾーンに分けますね。

(ところで、カバー画像は英二とアッシュなんですが、伝わりますかね? 伝わってなかったとしたら、今伝えたのでそのつもりで見て下さいよろしくお願い致します土下座)


あらすじ

ある日、NYのストリートギャングのボスであるアッシュを取材するために日本からやってきたカメラマンの伊部とその助手の英二。アッシュがあまりにも自分たちと違う彼らを面白がって茶化していると、突然の襲撃に遭う。追い詰められた場面で見せた英二の勇気に、アッシュの中の彼への見方が変わり……
(うろ覚えの1話)


大人達の欲に翻弄された少年たちの物語

BANANA FISHをどんな話か短くまとめてって言われたら、わたしはこんな風にまとめます。
主人公のアッシュ、そしてストリートギャングの少年たちは、結局全員大人達の、世界を掌握したい欲、地位に対する欲、成功に対する欲、支配欲、性欲……そういう自分の思い通りにしたいという欲望を満たすための抗争に、利用されて巻き込まれていったんですよね。

おそらくこの中にいて、それに(精神的に)翻弄されていなかったのは、日本から来た英二だけ。そして、それこそがアッシュを救った……という関係性だったと思います。そういう意味で、アッシュは英二がいるから救われたので、そういう存在がいないが故に救われないキャラクターもいたなぁと思います。


畳み掛けるように続く死

とにかく絶え間なく銃撃戦が繰り返されます。とにかくすぐに人が死ぬ。名前がちゃんとあるようなキャラも死ぬ。そこで心が何回か折れそうになります。
抗争を描いている作品なので当たり前なんだけど、日本が舞台ならこうはならなかっただろうから、そこで何気にメンタルが消耗します。
脳天打たれて死ぬシーンとかあるので、苦手な方にはおすすめしません。

ちなみに、アッシュに関してはなんでこれで生きてられる!? というシーンが多々あります。超人アッシュ……。


とにかくアッシュが性の対象にされる

詳細は描かれていないけど、アッシュがとにかくレイプの的になる。
7歳にしてレイプされ、その相手を殺害。その後ゴルツィネというクソジジイ(言い方)に男娼として買われるなど、とにかく、なんでこの子こんな汚いオヤジにモテるの……なんなの……という感情に襲われます。そしてその度にアッシュの幸せを願う視聴者。
ゴルツィネは、アッシュに様々な知識や戦闘についての教育も施していたので、使い捨てるだけではなかったけど、とにかく胸糞悪いジジイです(だから言い方)

この物語の中で、アッシュは17歳です。
いや、もう、どんな人生なの……。
アッシュの人生はとにかくこの上なく壮絶です。
だからこそ、英二の存在が大切なんですが。


BANANA FISHはBLなのか

見る前はPinterestにも二人のなかよし二次創作的な絵もちらほらあったので、腐女子ホイホイコンテンツみたいな先入観で躊躇していたのですが、友人に勧められて今回に至りました。

見終わった感想としては、別にBLではなかったです。
アッシュは英二のこと好きだったのかなぁとも思うので、恋愛モノではない作品に含まれてる恋愛要素くらいのものはあったかな。

というより、アッシュにとって英二は、自分の住む汚れた世界を知らずに生きてきた綺麗な存在で、恋愛というよりは、神格化していたのかもしれません。一緒にいると浄化される、だから安らかでいられる、というような。
そして英二もアッシュのことを守らなくてはいけない存在と捉えています。ふざけてよく自分のことをお兄ちゃんと言っていたしね。戦闘力でも頭脳でも圧倒的に優れた存在アッシュなんだけど、英二にとっては守るべきものなのです。


音楽がかっこいい

第1クールのEDがKing Gnuで、第2クールのOPがブルエンですからね。

一番印象的だったのは、King GnuのPrayer Xですかね。
「出逢いと別れを繰り返す日々の中で一体全体何を信じればいい」って歌詞があるのですが、アッシュはそういう気持ちだったんじゃないかなぁと思って、聞くたびに胸に刺さりました。また、毎話えぐられるもんで、ますます刺さるんですよね。

あと、これでSurvive Said The Prophetを知ったのですが、すごくシリアスでかっこいいバンドだなぁと思いました。BANANA FISHの抗争の激しさとか、そこから生まれる虚しさみたいなものが音に染み込んでいてよかったです。
特にREDは、映画ほどの深みがある楽曲だなと思いました。


おすすめするか否か

見てよかったとは思います。
ただ、諸手を挙げて面白いから見て! と言えるような作品ではないかもしれません。
まどマギ、ホットロードに続く、私の中の「心して見て」作品になりました。

だってこんなにも遣る瀬無い。日本のヤンキーモノよりずっと人の生き死にが直接的描写で繰り返されるし、銃社会アメリカはやっぱり日本とは違う。
とりえあず、しんどい。

なので、このnoteをたまたま読んでくれて、興味を持ってくれた方は、心してご覧ください。


というわけで、以上がBANANA FISHの個人的まとめです。
以下、ネタバレゾーン突入いたしますので、ネタバレNGな方はここでお別れです。
長々と読んでいただき、ありがとうございました!

すでに見たよと言う方は、よかったらコメントください〜!



▼ネタバレゾーン

いや、あの、あれで終わりですか……?
アッシュは……図書館の方助けて……

シンはなぜラオに、アッシュがショーターを殺さざるを得なかった状況を説明しなかったのだろう。もちろん説明したところで、ラオにとっては英二よりショーターの方が大事だろうから理解できないかもしれないけど、バナナフィッシュを使われてあんな状態になっていた以上、ショーターのためにも英二のためにも仕方なかったのかもしれない……っていつかは理解できたんじゃかなとか思ってしまう。
でも、それは物語的にアッシュが主人公でショーターが脇役だから、視聴者である私はそう思うのであって、ラオにとってはショーターがボスで、アッシュはショーターの親友であり仇でしかない、のかな……。

でもすべてを償って(償え切れるかわからないけど、相当殺してるし……)、日本で暮らす未来も夢見てしまいますよね。
だってアッシュはまだ17〜18歳。幼い時にあんなことされて……救いようない人生すぎる。

ここまで壮絶な子はそうそういないだろうけど、どこかにこういう子いるのかなぁとか思ってしまった。なんというか、出だしで蹟かされて、そこから這い出ることができずに生きるしかないっていう。その上、こんなに短く人生を終えることになるって……アッシュ達の命を奪ったのって全部大人の欲が原因ですからね。子供達は巻き込まれたに過ぎない。

なんか外伝?の漫画があるそうなので、探して読みたいと思います。
とりあえずメンタル……。


というわけで原作漫画19・20巻読みました。

救われたか……どうだろう。
7年後を描いた「光の庭」。伊部さんの姪・暁ちゃんの存在や、英二がシンと今も仲良くしているという事実には救われたかなぁ。そしてシンが月龍を支えているというのはうれしかった。月龍には英二のような存在がいなかったから。

暁がシンに、アッシュのことを「英二の恋人?」と聞くシーンで、シンはそれに対して「それ以上さ」と答えています。
アッシュと英二の関係が友達とも、恋人とも取れない、もっと深く特別な関係だとしたら、そんな人に出会えること自体本当に稀有なことだから、そういう意味でアッシュは幸せだったのかもしれないと思いました。

アッシュは、致命傷ではなかったみたいですからね。
生きようと思えば生きられたのかもしれない。
でも、もしかしたら、この英二が「魂はいつまでも一緒だよ」と言ってくれる、自分の人生の中で最も幸せな今で終わらせたかったのかなぁと思いました。

本編の終わりの方で、アッシュが(確か)ブランカに「俺は幸せだよ」って言うシーンがあったんですよ。それって、アッシュが生きてきた17年間の中で、自分を恐れず、弱いところも受け入れて、自分を守ろうとさえしてくれる英二と出会えた今が一番幸せ、という意味なのかなと思ったんですよね。
本当なら、もっともっと何倍もの幸せを得られるのが、人生だと思うけれど、アッシュはそんなこと知らないから、この今が最大に幸せな時だと思ってしまったのかなぁ。
もしかしたら、日本に来て英二と暮らしたら、もっともっとたくさんの幸せを得られたかもしれなくても、そんなことアッシュには考えることすらできなかったのかもしれない。

いないと思うし、いてほしくないけど
もしアッシュのような子供がいたら、アッシュが得られたような幸せを掴んで、さらにアッシュが得られなかった幸せをも求めて生きていてほしいと願います。


あ〜〜〜〜〜
アッシュが英二と生きられた未来を想像するのは辛いですね。

う。誰かはなそ。

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