人と人をつなげる、珈琲とチーズケーキ。
地方移住者、単身東京へ
人との交流を渇望しているのかもしれない。
用あって単身東京に来ています。次の用事まで時間が空くため、カフェで読書しています。
館山から新宿へ向かうバスの中、Googleマップで目的地近隣のカフェを探しました。
チェーンのがやがや感も都会を感じられて大好きなんですが、今回は個人経営のカフェを選びました。
私は普段から自宅で、豆から挽いてハンドドリップで珈琲を淹れています。
珈琲は奥深くて好きです。豆の煎り具合、挽きの粒度、お湯と粉の量比率、お湯の温度、蒸らし時間、抽出時間。
これらを毎回測りながら、前回はああだったな、今回はこうしてみたら変わったな、次回はこう試してみよう。尽きることがなく楽しいです。
日々チューニングを繰り返していると、ふと「ところで美味しい珈琲ってどんなだ?」と我に返ります。
だから時折、プロフェッショナルな珈琲を味わう必要があるのです。
競争激しい東京で営んでる、個人経営のカフェにそれを求めて来ました。
極上の珈琲に大興奮
テーブル席が3組ほどの非常に小さい空間。
部屋全体にはドライフラワーがたくさん飾られていたり、レトロな人形が並んでいたり、アコースティックギターが置かれていたり。
独特ではありますがなんとも居心地の良い空間でした。
先客が1名。私が入り店内にはマスター1名と客2名。
なぜこの先客の方はここへ辿り着いたんだろう。どんなことを考えてここで過ごしていたのだろう。何か妙なご縁を勝手に感じ、店に入ったほんの一瞬そんなことを思いました。
オリジナルブレンドと手作りベイクドチーズケーキをいただきました。
めちゃくちゃ美味い。私好みの、苦味を抑えた少し酸味の強いフルーティーな珈琲。上品な甘さで舌からスッと消えるチーズケーキ。
さすが東京。しっかりThe 美味しい 珈琲をいただけました。
内なる興奮をよそに、店内は非常に静か。上品なクラシックがボリューム小さめに流れています。
ここまで一切写真がないのも、なんか、撮ると浮くなあと感じて避けた結果です。
…話したい。
静観な現実空間に気配を消して馴染んでるこの身体から、感動が殻を破って漏れ出そうです。
人と人をつなげる
仕事はフルリモート。東京から地方へ移住。
ライフステージの変化もあって、リアルに接するのはほぼ妻と子たちだけです。
それを選んでいるので幸福感に満ちてる反面、ちょっと刺激を欲する自分も正直おります。
今の環境はノードの数も、ノード間のリンクの複雑さも、とても少ない。それはそれで平穏で幸せ。一方でネットワークをもっと複雑にしたい自分も存在している。
人と出会い、交流を深め、新たな刺激を得て、自身の一部がちょっと生まれ変わる。
この度の転職も、潜在的にはそんな欲もあったのかなあ。
転職はするけど、今の会社のミッション「人と人をつなげる」。離れても好きなままでいられる気がする。
会計を済ませ店を出るとき、マスターに「珈琲とチーズケーキ、めちゃくちゃ美味かったです」と伝えました。笑顔で「嬉しいです」と返してくれました。交わした言葉はそれだけでした。最高だよ東京。