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写真から派生した話「忘れ花」

写真から派生した話

忘れ花

今、あなたは、どんな毎日を送っているのだろう。
ちゃんとご飯は食べているのかな。
押入れの奥にある、冬用のかけ布団を見つけられたかな。

「私、この人と結婚する。直感でそう思ったんだ。」

5年前に、放った無責任な言葉たち。

その言葉たちは、呪いのように私たちを縛り付けて
桃色の誓いへと導いた。

散っていく花びらをテープで貼り付けているだけの偽物を
本物だと言い張った。

これが愛だと。

私は、これは偽物なんだって。
大きい声であなたに言ったよね。

気づいて欲しかった。
散ってしまった花は、元に戻らないと。
散ってしまっては、幸せになれないと。

友人の結婚式。

私は、初めて忘れ花を見た。

色褪せた景色の中に、凛と咲く1つの花を。

それは、本物だった。
偽物なんかじゃなかった。

あなたは、信じてくれていたのかな。

終わりなんてないことを。
どんなことも私と乗り越えていく未来を。

いつか、また咲く、忘れ花のために
一度散ってしまった花びらたちを
主役を引き立たせる景色にするために
一枚一枚、拾ってくれていたんだね。

あなたは、その花びらをゴミ箱に。
私は、栞にして、生きていく。

あなたが、また色鮮やかな花を咲かせることができますように。



忘れ花
Ame

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