中国語母語話者への音声指導
ご無沙汰しております。わたあめです。
ひさびさの投稿となります。
もうここ最近、暑くて暑くて、何もする気が起きず。。。
勉強もしなければならないのに、
家で何をするでもなく無為な時間を過ごしておりました(涙)
学習者も同じ気持ちなのかな・・・なんて、ふと思いました。
この暑さじゃとてもじゃないけど、勉強する気になんてなれないでしょうから。。
さて、本日は中国語母語話者(以下、CS)に対する音声指導法についてご紹介したいと思います。
私は普段はCSを対象に発音指導の授業を行っております。
その中でかなり効果が高いと感じられた指導法について、
本日はお伝えいたします。
1、指導しているのに
よくCSの苦手とするものとして「清濁」や「特殊拍」などが挙げられると思います。
これらはたとえばミニマルペア(例:「大学/退学」、「切手/来て」)を使用し、単語や音素レベルでの指導が多いのではないでしょうか?
たしかに、音素や単語レベルでの指導は重要です。
しかし、それらの発音が実際の会話や文レベルで維持されていないと、意味がないですよね。
たとえば・・・
清濁の違いを学習者に示すために、
「喉に手をあててみて〜。震えているのが有声音よ。震えてないのが無声音ですよ〜。」
と指導して、学習者が理解してくれたとします。
その後、ミニマルペアで練習して、
「”大学”の時は、喉が震えてるよね〜?」と確認し、
「はい、先生。震えています。”大学”です。」ときちんと発音できたとします。
けれど、その学習者が実際の友人との会話で、
「ねえねえ、明日”退学”来る?」と聞いてしまっていては、
意味がないわけです。
私は発音指導のクラスを受け持つ中で、このような事態に多々遭遇します。
仮に維持されていたとしても、
「どことなく訛りが残っている・・・」と感じたり、
「”大学”って言えているんだけど、なんだかまだまだ中国語のdで代用しているような・・・」と思ったり。
結局、音素レベルである音が発音できるようになったとしても、
文全体で「日本語っぽさ」がない限り、発音の上達にはつながらないんじゃないだろうか?と思ったのでした。
2、実際の場できれいに話せるようになるためには
授業で行ったことをふまえ、学習者が実際の会話で教えた通りに発音できるようになるには、どうしたらよいのでしょう。
これまでの研究報告を参考に、端的に言ってしまうと「学習者が自分自身で意識しない限り発音は上達しない」です。
もっと厳しいことをさらに言うと「意識できたとしても発音が上達するとは限らない。」。
つまり、「自身の発音を意識することは、発音上達の絶対条件ではあるが十分条件ではない」ということなんです。
厳し〜汗 絶望的!って自分でツッコミ入れてしまいますが。。
けど、落ち込まないでください。
素晴らしい指導法がございます。
それは私が大大大尊敬する笈川幸司先生が教えてくれました。
笈川幸司先生は主に中国で活躍していらっしゃる日本語教師です。
日本での知名度はそこまで高くないかもですが、
中国ではとーっても有名で尊敬されていらっしゃる日本人です。
NHKの『逆転人生』にもご出演されていらっしゃいました
(これは本当に泣けます、私は鼻水だらけの涙ボロボロになりながら見ました。日本語教師やっててよかった!と思えます、是非見て!!!)。
そんな笈川先生が普段CSに以下のように指導されていらっしゃるそうです。
3、発音が劇的にうまくなる方法
上の歯と下の歯をくっつけて、あいうえおの「い」の口のまま発音すること
だそうです。
みなさんはいっこく堂さんをご存知でしょうか。
そうです。あの口を開けずに話すことで有名なあの方。
彼は「日本語は口を開けずに話すことができる」ということを証明しています。
恐らく、中国語や英語でしたら口を全く開けずに話すことは不可能でしょうね。
特に中国語は口を大きく開け、喉の奥や口の中全体の筋肉を使いますから。
笈川先生はCSが中国語の影響を受け口を大きく開けすぎて日本語を発音してしまうことに目をつけました。
そこで「もう口を開けずに「い」の口で発音せよ!」という結論に至ったのだと思います。
私も実際この方法で指導をしてみましたが、劇的に学習者の発音が上達しました!!!
ぜひ、みなさんも試してみてくださいね。
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