2000年生まれ。 ここでは文章作品中心に。拙いながら続けていけたらと、

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ゴキブリ達のデモクラシー

黒く輝く不穏な会議 どうやら我らは殲滅の危機 赤い屋根から甘い匂い あれはけっこう危ないらしい のろま不気味な巨大生物 大きな声で叫んでいれば 決死の覚悟か人差し指 何やら冷たい飛沫を浴びる 身体は次第に動かなくなる 無慈悲心無い巨大生物 私の父は亡くなった あの子の妹亡くなった せんせの奥さん亡くなった 隣の君とその隣の君 想っているのは私も同じ 残酷だからと言い捨て立ち去る 黒く輝く不穏な会議 声無き声に耳を傾ける

      • 忘れ得ぬモラトリアム

        最近になって、行きつけのカラオケ店が休業した。再開の目処も立っていないようで、もしかしたらこのまま潰れてしまうかもしれない。中学生の頃サッカーの試合で訪れた有名企業のグランドは今では住宅地となり、高校の時付き合っていた彼女のアパートは既に取り壊されて綺麗な一戸建ての物件が建てられていた。僕が通っていた保育園や小学校も建て直されており、当時の記憶が実存していたものなのかを図ることが難しくなっていた。場所がなくなってしまうということは同時に思い出も失われてしまうようでなんとなく寂

        • いろぬりはじめのいっぽ

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          風立ちぬ

          風立ちぬ

          地元仲間と今年初花火🎆

          地元仲間と今年初花火🎆

          あの夏、

          中学最後の夏は思っていたよりもずっと静かだった。 もちろん、蝉は時間など考慮せず四六時中唄っているし、 心臓に直接届くような花火の乾いた音を感じる日もあるのだけれど、 その全てが僕にとっては懐かしく感じられ、 今の自分と同一進行しているものだとはまるで思えなかった。 野球部として臨んだ最後の大会に敗退すると、長い夏季休暇が始まった。 あんなにも忙しく情緒的だった僕の日常は、あまりにも呆気なく過ぎ去っていき、空っぽな心と共に気怠い夏を過ごした。 周りの同級生たちの大半はす

          あの夏、