カセットテープとSweet Love
断捨離ならぬ全捨離。
時間が空くと、引越しのための整理をちょこちょこしていて、
一つ一つのものと向き合うと、あれもこれもそれも要らない気がしてきます。
本当に必要なものなんて、いったいどれだけなんでしょうね。
今日はCDの処分を。
現行品は、気に入ってる曲だけをiTuneで買い直し、ほとんどを手放しました。
もう売っていないアルバムを数枚だけ残して。
CD BOXの底に、懐かしいカセットテープを発見。
数十年前に1人暮らしをしていた頃、
せっせと通っていたレンタルレコード店。
店長と仲良くなり、オススメされたレコードをカセットに録音したものが残っていました。
「Urban Cruising」というタイトルのオムニバス。
昔の名曲がたくさん入ってます。
その中にアニタ・ベイカーの「Sweet Love」が。
流してみると一気に昔の音がよみがえりました。
iTuneで探してみると、あるんですねえ。
20代、こういう歌が大好きでした♪
CDやカセットテープなどを無くし、
音楽はほぼ全てスマホの中に。
これだけでものすごく身軽になりました。
物を減らすとスッキリして心が豊かになる、とよく言いますが、
減らすという行為そのものが大事なのだと思いました。
減らすときに迷うし、ちょっとした決意が必要です。
それこそが、その物に対する記憶のマーキングになるのです。
いったん思い出し、その思い出を、どう自分の中に収めようかと考えることで、鮮やかな記憶になるのですね。
写真と同じ。
昔の記憶は当然、薄れていくものですが
後で写真を見返すことで、記憶が定着します。
記憶とは、ほとんど写真を見返したことによる後付け記憶だと言っても過言ではないくらい。
アニタ・ベイカーの声は私の中で、
「懐かしいなぁ」と思った、私の今の記憶として書き換えられたのでした。
思い出は全て、自分の中に。
昔は軽く口ずさんでいたけれど、
今の私が聴くSweet Loveは、なぜか厚みと重みと、少しの優しさを増して。
空いた棚のからっぽな場所を見つめて
でも、心がからっぽじゃないことを確かめてから、
Sweet Love の音量を上げて、
しばし、次女と体を揺らして踊りました。
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