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だらしない


酔っ払っていた。窓があいていた。

発した声が目の前の人に積もっていくのではなく、どんどん外へ出ていくのが奇妙だった。

テーブルの上には私が絶対に飲まないビールの空き缶がいつまでも置いてあった。

箱ティッシュのカバーは、いつの間にか箱ティッシュの横に添えられるだけのものになった。

洗濯が追いつかなくてバスタオルは後一枚しかなかった。

興味のないアニメが、テレビではずっと流れていた。

ジェルネイルの液がこぼれて固まっているカーペットに、また新たに染みを作った。

自分のためではなく、人のために今年初めてエアコンをつけた。

扇風機は、実家から持ってきた時のほこりを羽に纏ったままでフル稼働していた。

窓が開いていることを思い出して、でも諦めた。

グラスの中のハイボールが空になった。



買ってきたばかりの夏用のひんやりシーツが、全然ひんやりしなかった。

新しくなくなっていくことは少し不快だった。

言いたいことが浮かんだけど口には出せなかった。

だから、これは後でどこかに書き溜めるんだろうなと思った。

考えることが面倒になった。

でも手放すのが惜しくなった。

気がついたらもう、2時間半が経っていた。

古くなるのではなく、深くなるのかもしれないなと肯定した。

洗っても消えない汚れをつけることばかりが、ひどく得意だった。



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