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【青森】弘前の桜と十和田の桜流鏑馬を見に行く旅

桜流鏑馬(さくらやぶさめ)というものをネットの海から発見したのは2021年のことだ。
青森県十和田市で開催される、女流騎手のみが出場する日本唯一の流鏑馬大会。開催時期は例年、開花前線が北上する4月後半の週末。これがどういうことかというと———

※過去年度のポスターです

桜並木の下を!鮮やかな衣装を纏った!女性たちが!馬で駆ける!!弓を引く!!!行くしかないということだった!!!!

ついでに弘前にも行ってみたかったのでざっくりこういう旅程を組んだ。
※2021年の話です。

4/22(木)
退勤後、東京発→弘前泊
4/23(金)
弘前観光→十和田市泊
4/24(土)
十和田市観光、桜流鏑馬→東京着

弘前で桜を見る

退勤後、新幹線で東京から新青森駅へ。
そこから在来線に乗り換えて弘前駅へ向かう。
列車の中は退勤するサラリーマンや下校する学生ばかりで、生活感のある光景だった。私も退勤組に紛れ込めているかな、などと思っていたが、弘前駅で洗礼を受けることになる。

※画像は写真ACからダウンロードした

綺麗な駅・・・改札をカードでピッとして通ると思うじゃん?どの改札も、ICカードのセンサー部分にもれなく「×」マークが浮かび上がっていた。
「え、故障?」と思っていたら、私以外の人間は全員、各々の持ち物から颯爽と紙定期を取り出し、改札に吸い込ませていた。10年前を見ているような光景だった。(2021年の話です)
よくよく辺りを見ると、「新青森からICカードで入場した者は駅員の元で現金支払いをするように」という趣旨の張り紙があったので、従った。
ここから先の旅程は主にバス移動となるが、この通り青森にはICの波が全然来ていなかったので、バスの中で両替機に札を突っ込んでは小銭を掻き分けることになる。
車以外で初めて青森へ旅行する方には、くれぐれも千円札を切らさぬよう警告しておく。

時刻は21時頃で、見える範囲に開いている店なども無かったのでまっすぐホテルへ向かった。
ホテルの向かいのコンビニで親子丼を買ったが、この時何故か袋をもらうタイミングを逃し、カバンの中に丼を忍ばせた状態でチェックインすることになり緊張した。

各階設置の電子レンジで丼を温める図。
赤子をあやしながら一定の間隔でフロアを往復しているお母様がいた。

翌朝。来た時は真っ暗だったエレベーターホールの窓からくっきりと岩木山が見えて、旅行に来たという実感で一気に目が覚める。夜着の翌朝に特有の感覚。

さっそく弘前城へ桜を見に行く。
花盛りと言って差し支えない咲きっぷりで、澄んだ濠の水面には花筏が浮かんでいた。
辺りをうろうろしながらスマホとデジタル一眼とフィルムカメラで写真を撮る。
金曜の朝8時頃だったので混むほどの人はいなかった。

この辺りには本格的に写真を撮っている人が集まっていた。
岩木山マジで美しいな
桜の花がハート型に見えるスポットが明確に指示されていた。
なんか岩木山見るとテンション上がるようになってきた。

弘前城近くの「大正浪漫喫茶室」へアップルパイを食べにいく。
満席だったので記名してから建物外で待つことになるのだが、列や椅子がある訳ではなく、みんなその辺の岩に座って待っていた。私も座り心地の良さそうな岩を選んで座って待った。

津軽ゆめりんごファームのパイにした。美味しかった。

まだまだその辺を散歩する。
先ほどの喫茶室もレトロな建物だったが、弘前には趣深い建築が多い。
その割にあまり写真は撮っていない……

見た者の心を乙女にする旧弘前市立図書館。
弘南鉄道中央弘前駅のホーム。乗ってみたかった。

岩木山があまりにもきれいなので、もう少し近くまで見に行くことにした。
バスで30分ほど移動して岩木山神社へ。

14時頃。雲ひとつない晴天。

弘前駅方面に戻る。
時間が空いたので2〜3つ先のバス停まで歩いていく途中、閉校した学校らしき建物があった。

こういう風景を見ると、岩木山に見守られながら育った人の人生を勝手に偲んでしまう。

無事に弘前駅まで戻ってきたので、ここから十和田市へ向かう。
弘前駅にはストリートピアノがあり、女子中学生くらいの子が友達に見守られながら鬼滅の刃の曲を練習していた。

弘前駅→新青森駅→七戸十和田駅まで電車で移動し、バスで1時間ほど移動して十和田市中心部へ。

18時頃。七戸十和田でバス待ち中。

十和田市で桜流鏑馬を見る

19時頃に宿にチェックイン。
宿は中心部のアーケード街に近い立地なのだが、商店街の店は当然のようにほぼシャッターが閉じており、なんならまあまあな割合で明るくなってからもシャッターが開くことはなかった……

商店街から少し歩いたところにある、「司バラ焼き大衆食堂」というお店で名物の十和田バラ焼きを食べた。

トング片手にサシでカセットコンロと向き合う。
店員さんが目を配ってくれており、混ぜ始める頃合いや食べ頃になると声を掛けてくれる。
できた!美味しそう!美味しい!!

そんなこんなで一夜開け、桜流鏑馬当日になった。
10時開始なので、それまでは町をぶらぶらする。
桜の花は散り始めの頃合いで、落ちた花びらで地面が覆われていた。
至るところに馬を模ったものがあり、否応なしに気分が高まる。

十和田現代美術館が朝から開いていたので入館。
展示作品の多くが撮られてナンボの精神でいらっしゃった(撮影可能の意)ので色々撮ってみようと思ったが、難しかった。

かわいい〜

いよいよ桜流鏑馬の会場へ。観覧場所となるコース横で良さそうな場所を探して待機する。
なかなか撮影難易度は高そうだが、ゴツい機材を持った方も当然たくさん来場していた。

以下、スマホで撮った動画のキャプチャより。

約100mのコースにある三つの的を馬上から狙う。
この写真の右の方に見えるのはニノ的。
走者は競技前に一列になってコースを一往復する。
メチャクチャ速く駆け抜けてくる。ニノ的に的中した。
三ノ的に向かって走りながら矢を番え始める。
スピードは遅すぎても速すぎても減点になるのだそう。

的中したら、的の横にいる女の子が和傘をパッと開くのがめちゃくちゃ良いのだが、うまく写真が撮れなかった。
以下は、ミラーレス一眼+キットレンズの望遠でなんとか撮った写真。

的中すると、この左にいる女の子が傘を開く。
残心の瞬間の後ろ姿が撮れた。
歩いて戻ってくる時がシャッターチャンスになりがち。
この方はたしか最年少で、お母様も参加されていた。
アイドル活動をされている星野菜々さん。
凛とした姿勢が美しい!
優しそうな表情の方。馬が半目だ……
この写真が一番躍動感あるかも。
風が吹く度に花びらが降り注いだ。
色鮮やかな花火の柄。衣装は一人ずつ手作業で作られるらしい。
騎手が並ぶと本当に華やか。

桜流鏑馬の観覧後は、また美術館に戻ってカフェでアップルパイを食べた。

りんごのアイス付きで嬉しい。

この後、中途半端に時間を持て余したのでお菓子屋さんでお土産用の菓子や個包装のタルトとかを買い、その辺のベンチで食べて過ごした。

十和田市からまた90分近くバスに揺られて八戸駅から新幹線に乗車して帰宅。財布は両替機から出てきた小銭でパンパン。

行程的に弘前の桜のライトアップを見られなかったことが若干心残りだが、混雑は避けることができ、天気にも恵まれたので良かった。


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