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社交ダンスで新しい試み。巨大ライブハウスでのイベントを実現した橋本 悠さん

先日、クラウドファンディングの記事を担当した、あるイベントが終了した。

巨大ライブハウスでのダンスショー『ボールルームシアター2021 ~ The Wonder City ~』である。

このイベントはYouTubeのライブ配信で無料公開され、オンラインによる社交ダンスの可能性を見せてくれた。

主催者は、東京都・日本橋で社交ダンス教室を経営する橋本 悠さん

コロナウイルスが蔓延し始めた2020年の春、「社交ダンスを楽しむ場が衰退しないように」と、彼はいち早く動き出した。

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まず、YouTubeチャンネル「YOLOエンタメ舞踏部」をつくり、オンラインコンペや練習会、ドレスファッションショーなど、移動が限られた状況でも社交ダンスを表現することができると証明した。なかでも、ダンサーとのフリートーク番組「ゆるゆる舞サロン」は、ダンス愛好家との触れ合いの場として人気である。

その活動の延長線にあったのが、『ボールルームシアター2021 ~ The Wonder City ~』だ。大きな舞台で役目を終えた橋本さんに、今の気持ちを聞いた。

音響と照明を駆使した、巨大ライブハウス

──お疲れ様でした! 視聴させていただきながら「はっし~!!」って叫んじゃいました。

ありがとうございます(笑) ライブ配信では、最大視聴者数が615人で、会場のお客様を合わせると約650人の方々にリアルタイムで楽しんでいただけました。本当、感謝の一言に尽きます。

──そもそも、なぜ巨大ライブハウスでイベントを行おうと?

社交ダンスのイベントは、ホテルなどで燕尾服やドレスを身にまといダンスを披露することが一般的です。でも、それだけだと社交ダンスの良さは一部の人にしか伝わらない。そんな状況を変えたくて、音響と照明を駆使したイベント会場を探していたんです。

そこで話に上ったのはライブハウスでした。ちょうど、あるライブハウスを訪れる機会があって、どんなものかと見学したんです。やはり音響、照明が最高でしたね。ですが、ダンスフロアとして使用できるスペースの少なさから、そのライブハウスは断念しました。

そんな矢先、今回の会場である「USEN Studio Coast」に出会いました。確か、2019年12月頃だったかな。内見したときに『絶対にここだ!』と思って、この会場に決めました。

──コロナ以前から企画されてたんですね。

そうなんです。それから程なくしてコロナウイルスが襲来し、一旦イベント開催を見送ることになりました。でも簡単に諦められなくて、コロナ禍でも開催できる方法を模索しながら、「2021年には開催しよう!」と決めてました。

──今回、西島 鉱治先生がショーの制作をされましたね。

以前から西島先生のショーダンスを見ていて、「お願いするなら西島先生だ」と思ってました。けど、当時はまったく面識がなく、どうしたものかと思っていところ、友人ダンサーが間を取り持ってくれました。

「面白いことをしたいので、ショーを作ってください」という僕の無茶ぶりにも関わらず、西島先生は素晴らしいショーを作ってくださいました。

──実際の練習は、どんな感じだったんですか?

コロナ禍ですし、少しずつ競技会が始まっていたので、出演していただくダンサーに負担をかけないよう、集まる回数を最小限に押さえました。全体で集まって行った「通し練習」は2回。振付も、本人たちが普段踊っているものに『西島先生のスパイス』を加える形で進めました。

大道具や小道具の準備は、前日と当日の空いた時間に行いました。僕が会場で打ち合わせをしている間に、出演ダンサーたちがせっせと準備をしてくれて……。

時間が限られている中、それぞれが出来ることを行い、西島先生がまとめてくれた。そんな感じでした。

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胴上げしてもらったら、身体の力が抜けた

──本番の状況について聞きたいです。

舞台に立つ直前、みんなで円陣を組んだんです。「あぁ、この感じ、懐かしい……」って思いました。学連(大学の社交ダンス部のこと)のときは、競技会の度に円陣を組んでいたんですよ。それを思い出しました。

これは本番中のことなんですが、自分の出番じゃないときは、みんなそれぞれのスマホでライブ配信を見てました。それが何だか面白い光景で(笑) 目の前で踊っているのに、スマホで見ているのが「時代だなぁ〜」って。

──舞台上での演技と、舞台下でのパフォーマンス。その遠近感がすごく良かったです。ほんと、巨大ライブハウスでしたね

自分たちも踊ってみて、広いなって思いました。あと単純に、めちゃくちゃカッコいい! 会場が僕たちのダンスを何倍にも引き立ててくれていました。「本当にここを選んで良かった」と、心から思いましたね。

実はライブ配信が終わったあと、何年振りかの胴上げを体験したんです。胴上げをしてもらったとき、「やり切ったんだな」という思いが込み上げてきて、身体の力が抜けるような感じがしました。こんなにも素敵な時間を、大切な仲間たちと過ごすことができて本当に幸せで……。「ダンスってこうでなきゃな」と改めて思いました。

──もう次のイベントも考えているのでは?

はい、翌日から来年のことを考え始めてました(笑) これからも素敵で楽しいもの、面白いものを多くの方に届けたいです。だって、その方が人生豊かですから! 

イベントのYouTube配信は、クラウドファンディング最終日の6月10日まで視聴できます。あと一週間ほどですが、ショーを楽しんでもらえたらと思います。

(記:池田アユリ)



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