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 コンビニというのは、わざわざ時間を決めていくものではなく、その場通りかかった際に何かを買いたくなったり、またはふとした日常で必要なものを買いたくなった時に行くものである。その偶然性から、ファミリーマートを通りかかった際にファミチキが食べたくなったら一つ運試しをしてみよう。

 私の一番美味しいと感じるファミチキは、揚げたてから少し時間が経ち、衣のサクサク感を残しつつ、中身がわずかに冷めて食べやすくなり鶏肉の味がよく感じられるものだ。だからそれを大吉としよう。

 ちょうど揚げたてが一番美味しいと感じる人も多いだろうが、猫舌の私にとっては、口の中でハフハフと冷ますことに集中させられるので鶏肉の味を感じるどころではない。しかしお店の出すファミチキの一番良い状態という事実には変わりないので、中吉とする。

 小吉は、衣のサクサク感がなくなって、齧り付いた時にもそっとした歯応えを感じる状態だ。しかし中身の鶏はまだ温もりを保って肉汁も甘味がある。満足することはなくても、ファミチキたりえる条件としての「鶏肉を味わう」行為を遂行できている。

 凶は、買って後悔するレベル。揚げたものの全く売れず廃棄処分寸前。ショーウィンドウの中の保温機能に頼っても鶏肉がすっかり冷めてしまい、衣はべちゃっと水に浸したような状態のもの。一度だけ出会ったことがあるが、ほとんどお目にかかることがないのでむしろこれに出会ったら逆説的に運が良いと言えるかもしれない。

 ファミチキで本当に運勢を占っているかと言われれば嘘になるが、自分好みの状態のファミチキに出会ったらなんだか良い気分になるものだ。

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