私たちに立ちはだかった、英語という壁。本当の“コミュニケーション”とは?
スウェーデン人のペトリは、英語がとても上手だった。
彼の母国語はもちろんスウェーデン語。
(ペトリは、アイルランドで出会った男の子。)
彼との出会いについてはこちらの記事より↓
https://note.com/amayadoriwo/n/n848add647f0f
WWOOF(ウーフ:ファームステイ)先のサイモンさんの家では、毎晩のように長〜い議論の時間があった。
サイモンさんの投げかける数々の難しい議題にたじろぐ様子もなく、英語でしっかり応えるペトリ。
一方私たちはというと、難しい話題になると話にほとんど加われませんでした…(>_<)
まず単語が難しい。何か意見があっても、話の展開の早さに乗って発言なんてできないし、普段考えないような話題が出たりすると意見すらうまく出てこないし、ひどい時には、何について話が進んでいるかもイマイチ理解できていなかった…。
こんな時間の中、私たちの心はこてんぱんに打ちのめされました。
その分、英語はめちゃくちゃ鍛えられたのだけど、それよりももっと恥ずかしい思いをたくさんしたし、辛かった…。
ああ…英語、怖い!!
英語に対する苦手意識は、一向に薄まる様子はありませんでした。
後になって「ペトリは、どうやって英語を勉強したの?」と聞くと…
だそう。
そうなんだ…
私たちの英語が彼ほど上手でない言い訳にはならないけれど、ヨーロッパ人にとって、英語はあまりにも生活に密着しているというのは事実みたい。
ヨーロッパ人の中に入ると、その中に飛び交う高い英語力に日本人がついていけないというのはよくある話。
ヨーロッパ人と言っても色んな人種がいるよね…と前回の記事で言ったものの、言語に関してはやっぱり、
ヨーロッパ人は「ヨーロッパ人」であるのと同じに、日本人は「アジア人」なんだ。
英語でつまずく度に、ヨーロッパ人とアジア人を分かつそこには、大きな壁があるんだなあ…と感じてしまいました。
話についていけない時間は続き、気がつくと話題はいつの間にか「北朝鮮」について…
いつにも増して熱く語るサイモンさん。
彼は何を言いたいの?何を伝えたいの!?
理解したいのに、何か言いたいのに、分からなさすぎて不甲斐なさすぎて、何もできなくて悲しくなってくる…
ペトリはしっかり相槌して、話分かってる感じだし…
ああ…
杏ちゃん、立ちはだかる英語の壁は高いね、私たち、これからやっていけるかな…
自分が情けなくなってくる。なんだかとてもツライね。。。
と葛藤する中、杏ちゃんをチラリと見やると…
「アン!!どうしたんだ!」
席を立って杏ちゃんのもとに駆け寄るサイモンさん。
「すみません、私、あなたが話していることをうまく理解できなくて…
私たちは英語が上手じゃなくて、ごめんなさい。」
するとサイモンさんは、
「ごめんね、アン。君を混乱させるつもりはなかったんだ…
あのね、よく聞いて。君たちは全く文化の違う場所からここに来ているんだ。
それはとても難しいこと。とても大きなチャレンジで、もし僕が君と同じことをやれと言われたら、絶対できない。君はとてもよくやっているよ。素晴らしいよ。
それにね、アン、コミニュケーションは必ずしも言葉だけじゃないんだ。
分かるだろう?表情や仕草、その人の雰囲気…、きみは、とても良い空気をこの家に運んできてくれてるよ。それだけでもとても意味のあることなんだよ。」
サイモンさんは、私たちとの文化の違いをとてもよく想像してくれて、理解してくれて、その上で、言語の違いはコミニュケーションにおいては一番の重要ごとではないと言ってくれた。
なんだかとても、救われたよね…。。
ここに来てよかったと思った。
すると。
とペトリも話しかけて来てくれました。
「去年、フランスを旅していたときのことなんだけど、パリで出会ったあるフランス人が、これが全く英語が喋れなかったんだ!マイ、ネーム、イズすらまともに言えてなかったんだよ!!信じられる?
ヨーロッパの中でもそんな人がいたり、英語が全然通じなくて旅行に困る国もあるんだから、アジア人である君がそんなに英語ができるのはすごいと思うよ。ほら、日常会話では全く困らないじゃないか。」
2人の優しさに胸を打たれた杏ちゃん。
と一生懸命に決意を表しました。
私までもらい泣きしてしまいそうな、感動的な瞬間だった。
サイモンさんは、少し黙って、次の瞬間、杏ちゃんにこう言いました。
……っつ、通じてないんかいっ!!
(今、いいセリフのとこよ。)
つらいわ笑
まあ、彼らに慰めてはもらったけれど、結局のところ私たちが携えていた英語はこんなふうに欠陥だらけだったってこと笑
でもこの英語でなんとか3ヶ月やってこれたのだから、サイモンさんの言う通り、やっぱりコミニュケーションは言語だけじゃない、というのは、あながち間違いでは、なかったような。。。
(でもやっぱり英語ができるに越したことはないですが!!)
英語という壁を取っ払って、最後に残るものは、伝わるものは、その人の心。優しさ。人間が共通して持ち得る、心の温かいところ。
2人のそういうものは、英語が完璧に通じる環境じゃなくてもしっかり感じることができた。
肩肘張って会話なんかする必要はなくって、心を伝える手段には、必ずしも言葉だけじゃないんだなあ。
それは例え、日本人同士だとしても。
そんなことを思ったヨーロッパ旅行でした。
■(オマケ↓)
その日の夕飯終わり、議論の中で分からなかったところを少しでも理解しておこうと、ペトリに聞いに行った杏ちゃん。
(杏ちゃんのその、いつもひたむきで素直なところが本当に尊敬!)
するとペトリ。
えっ。
なんだ、ペトリも全部分かってたわけじゃないんだ。
(「好きなんじゃない?」っておい笑)
ペトリは優しくて真面目で、でもどこかぬけてるんだよなあ!笑
最後まで読んでくれてありがとうございました!
これからも当ブログでは旅のエピソードについて公開していきます。ぜひぜひチェック\(^o^)/
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最後に、私の好きな言葉。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
同じ人類として共通して持っている大切な部分に目を向けよう。
ー松本零士『君たちは夢をどう叶えるか』より
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