fable
アイスランドで Natsuki Tamuraさんと一緒に作品を作りました。
自分のからだが色んなものに見えるような、その場面を見たひとが自分の中にあるいつかの景色に帰ることができるような在り方でいたいとよく考える。
踊っている自分がおじいさんに見えたり少女に見えたり動物に見えたりするといい。別の世界の別の時間の生き物に見えたり、ある神話とかに見えたりしたらいい。
目の前にいるからだが知らない言葉で何かを話しているような、それが何なのかを辿ろうとしているうちに、もしかしてすべての物語を語っているのかもしれないと思うような時間にできたらいい。
今回は、なつきさんが提案してくれたイメージや音が私のなかに投げ込まれて、ころころ転がしたのち引き上げてみたらもうそこにかたちがあった。
自分がやってみたかったことを言い当てられたような不思議さがありました。
なつきさんが初めに「こういうものがしたい」と話してくれた感触がすごく良くて、それはまさに、舞台表現の「お客さん日常から引き剥がして暗い箱のなかに閉じ込めて何かを見せてまた現実に帰ってもらう」という様式の、その境目をゆるやかに現実に溶け込ませるようなものにできる可能性がある気がして、なんだかとてもわくわくした。
その日は、お客さんはバスで移動しながらいろんなパフォーマンスや美術作品を見て回るようなスケジュールだったのだけれど、「何時からはこのパフォーマンス、何時にはここで誰さんの作品を見る…」というこの移動の時間のなかで、この『fable』の時間がほかとは異空間でありながら、だからこそ、一日が終わった時にいちにちのすべてが繋がっているような感覚に溶け込ませるようなものであれたらいいなと考えたりしました。
fableには、寓話/古い言い伝え/神話、そして、うそ、という意味があります。
日本にはものがたりを語るやりかたとして「百物語」というものがあります。
100のろうそくを灯して、話をするごとにひとつずつ火を消していき、100の物語を語り終えた時、つまりろうそくの火がすべて消えたときに不思議なことがおきる、というものです。
Au Japon, il existe une façon traditionnelle pour raconter le conte, appelée « Hyakumonogatari (rassemblement facultatif de cent contes )».
Nous allumons 100 bougies au début et l'éteignons une par une chaque fois que nous terminons un récit.
Au bout de 100 histoires, lorsque toutes les bougies sont éteintes, nous disons traditionnellement que quelque chose surnaturelle surgi.
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