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「祈り」の物語(日経の本ラジオ②)

日経BPさんが運営していらっしゃる「日経の本ラジオ」、『和らぎの国 小説・推古天皇』第2回の配信が始まりました。今回は作品のコアな部分が話題となっていますので、よろしければお聞きください。

ラジオのなかでも言いましたが、編集さんの作品に対する解釈はラジオ収録時に初めて聞きました。話しながら若干感激してしまい、ちょと涙目になっていたのはナイショです。
(お名前出てますが)編集のKさん。改めましてありがとうございます。

ご指摘いただいたように、この物語は「祈り」の物語です。

とある神社関係の方から聞いたお話。
「いのり」という言葉の源は、「意を宣る(い・を・のる)」にあると言います。意志を宣言し、実現を願う。そう意味が根底にあるのだと。

そして、もうひとつうかがったこと。
「まつり(祭り・祀り)」という言葉の源は、「真心を釣り合わせる」ことにある。神事であれば、神と人とが互いに祈り、真心を同じだけ傾け合う。人と人とであれば、言わずもがなですね。

古代、日本は「ワノクニ」と名乗っていました。よく言われる説のひとつとして、古代中国にはじめてやってきた日本人が「お前たちの国の名前は?」と聞かれて「吾(ワ)の国」と答え、その音から「倭」の字を当てた……というものがあります。
やがて、日本の人々はその字を「和」へと改め、「和の国」そして「大和」と名乗るようになっていきます。

そこに籠められた祈り、和ということを初めて言葉にした人の祈りを、物語として表現できないかなと思ったことが、執筆のきっかけのひとつでした。
その意味では、『和らぎの国 小説・推古天皇』という作品も、僕にとっての「いのり」であり、当時の人たちとの「まつり」でもあるのかもしれませんね。

なんだかぽやっとした話になってしまいましたが、今回はこれにて。


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