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執筆の風景。(日経の本ラジオ③)

日経BPさんが運営していらっしゃる「日経の本ラジオ」、『和らぎの国 小説・推古天皇』第3回の配信が始まりました。今回は執筆の状況と人物造形のしかた、そして最終回のまとめですね。よろしければお聞きください。

今作の執筆はおおよそ21年春から初秋にかけて、くらいだったのですが。ざっくりとた設計図(プロット未満のもの)を引いて、さあそろそろ現地取材に行くかー、と思った矢先に緊急事態宣言が発出。不要不急の外出は避けねばならず、じりじりとした日々を過ごすことになりました。

とりあえず文献資料を読み込むことに集中しつつ、何となくで書ける部分に手を付けてはいましたが、まあ焦りますし筆がなかなか定まらない。感染状況の先が見えないので、取材に行きたい欲求の向ける先もなく、気持ちの置き所が大変でした。
ただ、資料はかねてから集めていたものがあり、特に今回は仏典の原文というチャレンジメニューもありました。ので、集中して取り組む期間があったことは、結果的にプラスに働いたかなとも思います。

ちなみに、取材の様子は私のTwitterアカウントにてモーメントでまとめていますので、ご覧いただければ幸いです。

さて、全3回の本ラジオ、いかがだったでしょうか。
出演した側としては、やっぱり話しているうちにだんだん慣れてくることもあって、第1回より第3回のほうが話せてるよな、と。できれば3回までしゃべった状態で第1・2回を撮りなおしたいですね……。

そして、編集のKさんにご指摘いただいた、ダイバーシティ(多様性)を尊重する文化が1400年前にあったというお話。この点も、「和らぎ」の要素として意識的に取り入れたことです。
日本神話が、すでにそうなっているんですね。八百万の神々は、それぞれに専門分野を持っていますし、逆に全知全能の神は存在しません。そして、神さまたちでさえ、よくよく相談して物事を決めている。その姿を理想として表現したのが十七条憲法かなと、個人的には思っています。

そして、それは現代の現実においても通じる普遍性がある、とも思います。編集さんがおっしゃるように、それが伝わる物語となっているなら、それを受け取っていただけたなら、作者冥利に尽きます。

ちょっとウェットな感じになっちゃいましたが、そんな「祈り」を乗せた拙作『和らぎの国 小説・推古天皇』。ぜひお手に取っていただければ幸いです。

あ。次回作の話は、別途枠を作って書く予定です。
とりあえず、菅公さんに再チャレンジする『あるじなしとて』、PHP研究所さまから刊行予定です。期待してお待ちください。

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