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企業分析_トヨタ自動車を知ろう② ~まずは世界の自動車動向をみてトヨタに迫る危機を確認する その②~


 今回も引き続き『 トヨタ自動車 』 シリーズの続きを投稿させていただきます。前回に引き続き世界全体の自動車動向を確認していきたいと思います。

※このシリーズはスローペースが予想されるので、区切りの良い今回でいったん資料をUPさせていただきます。


↓前回はこちら

今後の動向予想をみていく

 それでは今後の自動車販売動向をみていきましょう。

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 今後も自動車の販売数は順調に増加していく見通しですが、今までと大きく異なるのは電動車が大きく増えていきます。。2040年には従来のガソリン車との比率が50:50になる予測です。増えていく理由としては言うまでもありませんが、環境問題(CO2排出)への対応です。まさに大きく流れが変わるタイミングといえます。

 自分の身近で勘違いされている方もいるので補足ですが、電動車とは電気自動車(EV)だけを指すのではありません。エンジン(ガソリン)+モータ(電気)で走行するハイブリット(HV・PHV)、燃料電池車(FCV)も含まれます。ちなみにHVとPHVの違いは、外部電源を差し込んで充電でき、かつEV同等の走行が出来るのがPHV(プラグインハイブリット)、外部充電出来ない&基本的にモータは走行の補助であるものがHV(ハイブリット)です。国内の代表車で言うと、EV=リーフ、HV=プリウス、PHV=プリウスPHV、FCV=ミライ。

様々な意見はありますが、
● エコ度合いだと EV ≒ FCV > PHV > HV のイメージ
※電気の発電方式の違いで(ex.火力発電が多い)、
 発電で多くのCO2出すのでEVがあまりエコじゃない国もあり(日本とか)

 ちなみに、将来の電動車の内訳予想は予想する機関で大きく異なるので注意が必要です。それだけどの電動車が覇権を取っていくかが不鮮明とも言えます。個人的には今後のインフラ整備(電力需給状況含む)等を考慮するとHV・PHVがまだまだ主力になるのではないかと想像しています。

 その今後主流になる電動車の今の状況をみていきましょう。

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 将来は主力になると予想される電動車ですが、現在は新車販売台数のわずか4%程度のシェアしかありません。これだけ昨今地球環境問題が叫ばれているのに、今現在だけでいうと自動車のエコ化は不十分と言えそうですね。

 そんな電動車ですが、どのタイプの電動車が多く売れているのでしょうか?

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 基本的にはHV車しか売れていないのが現状です。電動車で基本的に最もエコ度合いが低いものが多く売れているといえます。その理由は価格面が大きく、また充電設備のインフラ整備が不十分だと考えられています。

 今現在最もエコに貢献しているHV車はどこのメーカが多く売っているのでしょうか?

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 プリウスでお馴染みのトヨタが圧倒的なシェアです。また2位・3位も日本メーカと、HVに関しては日本が圧倒的に強いといえます。

 では、どこで多くHV車は売れているのでしょうか?

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 HV車の販売は日本がメインです。環境に厳しいイメージがある欧州や米国よりも圧倒的にHV車を日本人は買っていると言えます。もちろん色々な見方はありますが、世界で一番自動車でエコな活動をしているのは日本人と言っても過言ではないと思います。


 少し視点を変えて、今は少量でも今後圧倒的に数が増えると予想されるPHV・EVを今現在多く売っているメーカはどこなのでしょうか?

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 EV・PHVの販売台数は『 Tesla 』 が頭一つ抜け出てNo1となっています。また全体像をみると、中国勢が強く、日本はほとんど存在感を示せていません。

 成長性の高いEV・PHVの現在の主戦場はどこなのでしょうか?

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 中国がNo1、次いで米国がメイン市場となっています。特に中国は国策としてEV製造で自動車産業でトップに踊り出ようと画策しています。最近はなくなってしまいましたが、電気自動車の購入に大幅なインセンティブ制度もあるくらい力を入れています。

 世界最大のマーケットに変貌を遂げた中国ではEVニーズが高いといえます。この中国マーケットで勝つには如何に優れたEVを投入できるかがカギとも言え、実際に多くの自動車メーカが中国にEVを一早く投じる計画を出しています。しかし、今現在の日本はトヨタ含めほとんど存在感を示せていないのです。ただ未だEV化は始まったばかりと言えるので巻き返しは可能だと考えます。

 それでは、このような状況にある自動車完成車メーカの時価総額をみてみましょう。

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 トヨタが唯一時価総額20兆円以上を獲得し1位をキープし続けていますが、なんと電気自動車(EV)でNo1の『 Tesla 』 がVWを抜き時価総額ランキングNo2へ急浮上しました。

 『 Tesla 』 は市場からここまでの評価を受けれるほど自動車を販売しているのでしょうか?

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 Teslaはトヨタ・VWと比較しても圧倒的に販売台数は少ないです。この時価総額は市場が今後Teslaがこの電動化の波にうまく乗り自動車業界で大きな地位を獲得する事を確実視していると言えます。
 それだけこの電動化の波に乗れるか如何で大きく地位が変動するということを物語っています。もちろん電動化だけでなく、昨今いわれる『 CASE 』 、『 MaaS 』 に対応出来なければ今の地位は確実になくなるともいえるのでしょう。

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 まさに100年に1度の変革の波がトヨタに確実に迫っている事が前回と今回のわずかなデータからでも見えてきたと思います
 この状況だからこそトヨタの豊田章男社長は、強い危機感を感じ、自動車業界に限らず異分野の業界との提携やグループ再編、ウーブン・シティのような革新的なヴィジョンの実行などを矢継ぎ早に講じているのだと感じます。

今回は以上となります。ありがとうございました!

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