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路【ショートショート366字】

 「私はどこから来てどこへ行くのか」と、私は立ちつくし、秋晴れの空を見上げながら呟く。空気が澄んだ秋空は驚くほど高く見える。上空をとんびが舞っているのをしみじみと眺める。こんな季節は、最初の質問を自分に問うのには最適だ。

 もともと自分に自信はないほうだ。自分で決断するのも苦手。いつも他人が進む方向に進んできた。言うなれば親ガモの後をついていくヒナのように。

 でもいつまでもそんなことを言っているわけにはいかない。人には自分で決めなければいけない時がある。もちろん自信はない。でも自分を信じて進むしかない。


 私は空を見上げていた顔を正面に戻し、目の前の角を右に折れることにする。彼氏とはぐれてから30分。私は屋外巨大迷路「わくわく!わんぱく迷路」でさっきも通ったような道を首をかしげながら通り過ぎる。私はどこから来てどこへ行くのか。

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