路【ショートショート366字】
「私はどこから来てどこへ行くのか」と、私は立ちつくし、秋晴れの空を見上げながら呟く。空気が澄んだ秋空は驚くほど高く見える。上空をとんびが舞っているのをしみじみと眺める。こんな季節は、最初の質問を自分に問うのには最適だ。
もともと自分に自信はないほうだ。自分で決断するのも苦手。いつも他人が進む方向に進んできた。言うなれば親ガモの後をついていくヒナのように。
でもいつまでもそんなことを言っているわけにはいかない。人には自分で決めなければいけない時がある。もちろん自信はな