まあお訳古今集 恋はいちごを添えて玖
こんにちは! 自称作家の あまおう まあお です! このシリーズも、もう第九弾までいきましたね。
前回まではマガジンに入ってますので、お好きなとこから見てちょ☆
最近は社会も落ち着かず、色々不安もありますが、この時代にも流行り病みたいなものはあったようです。医療も「ご祈祷」だったりするわけですし、大変だったでしょうね。
そんな中でも今日も今日とて恋歌を。千年前のラブレターでも読んで、なんとなーく雅なお気持ちになっていってくださいませ!
恋歌二 紀友則
よひのまもはかなく見ゆる夏虫にまどひまされる恋もするかな
夜が深くなる。火が儚く闇に浮かぶ。惑わされた夏虫がやがてその身を焼かれるように、私の恋がじわじわと燃え上がるのだ。
#いちご訳
あっ、さすが編者代表。
あくまで「儚い」「夏虫」「宵」と重ねた言葉から、浮かび上がるのは、わりと妄執じみた恋だと思います。
直接語られていない「火」に注目させる……これが匠の技ですね……こんなん返歌できねーわ!
#巧すぎて困る #これは凄い #ノータイムOK #個人のお気持ちです
恋歌二 紀友則
夕されば螢よりけにもゆれども ひかり見ねばや人のつれなき
日が暮れて僕の思いは蛍よりもいっそう燃え立つ。あなたには見えないのでしょうね、そんなつれない態度で。
#いちご訳
余裕を感じる……これがインテリジェンスというものか。ちょっと嫌味っぽいのが素敵ですね。
「久方の光のどけき春の日に」とだいぶ印象違うんですが、どちらにせよ歌うまおは確実。例によって出世は微妙。
#好きかも #のどけくない #モテたんだろうなあ #返歌しづらいってばよ #tomonori
恋歌二 紀友則
笹の葉におく霜よりも ひとりぬる我が衣手ぞ さえまさりける
今朝は霜が降りて笹の葉が真白く凍てついている。私の袖をご覧。涙が凍ってもっと冷たく冴えわたっている。
#いちご訳
あっこの方天才ですわ。笹の葉の霜はひとり寝でちょいちょい出てくるらしいんですけど。
この歌、時間経過が詠まれてますね……。
熱い涙が冷えて凍って朝になったら氷になっていた、というこの一晩の「寒さ」が詠い込まれてんだ……、ほーん?
#好き #トゥンク #さすが大内記 #tomonori
恋歌二 紀友則
わがやどの菊の垣根におく霜の きえかへりてぞ恋しかりける
私以外見る者のない庭の菊の霜の化粧……やがて溶けて消えるように、私も儚くなってしまいそうだ。あまりにもこの恋が苦しくて。
#いちご訳
tomonoriさん、ほんと歌うまいなあ……。
しかして、上品ですよね全体的に。この品の良さ……どストライクではないかなあ。ちょっとこう、エロが足りない。
もう少し見てみないと、分かりませんねえ。
#完全にお前の男の趣味や #tomonori #もう一声 #巧すぎて返歌しづらい
恋歌二 紀友則
河の瀬になびく玉藻のみがくれて人に知られぬ恋もするかな
川の流れ、揺らめく藻のように水の中ひそやかに、人目を忍ぶ恋を、しています……。
#いちご訳
そうですね。奥ゆかしいと言うか、押しがないんですね。どこまでもたおやか。
紀氏はなかなか古い豪族の家のようです。
藤原氏の台頭で政治的にはパッとせず、貫之・友則が文化枠で活躍…とのこと。
業平様のようなモテ伝説は見つからないですね。
業平様の方が確かにパッション強めかも。#tomonori
恋歌二 壬生忠岑
かきくらしふる白雪の下消えに きえて物思ふころにもあるかな
暗い空から白い雪が降るけれども、やがて上から押さえつけられて目立たないまま消えてゆくのです。私の恋の近況です。
#いちご訳
完全諦めモード! なのかそう言って気を引こうとしているのか、ちょっと判断できませんね。
雅でなくて申し訳ないのですが、きえて物思ふころにも、のあたりが「燃えて! 青春! 駆け抜けろ~!」な歌を思い出しました。
#キックエンドダッシュ #あいつの噂で #キャプテン翼 #なぜそれを
恋歌二 藤原興風
君こふる涙の床にみちぬれば みをつくしとぞ我はなりける
あなたを思って涙があふれて海になる。寝ていた私が浮いて漂う、そうね私は澪標。あなたに身を尽くしたいのに。
#いちご訳
おきかぜさん。当然男性ですが、この主人公は女性かなあ? と思ったのでそう訳しました。
澪標(身を尽くし)はよくある掛詞ですが、この歌ではさほど重要ではないのではないか、とのことですが一応訳出。なんとなく古今調ってこういう感じかなあ、と思います。
#なんとなく #藤原家 #三十六歌仙
恋歌二 藤原興風
死ぬる命いきもやすると 心みに 玉の緒ばかりあはんと言はなん
会えないのなら死んでしまいます。哀れに思うのならばちょっとでいいので、試しに「会ってあげる」と一言……一言お願いします!
#いちご訳
すいません、笑ってしまいました! 必死か!
いや、必死風ギャグのような気がします。
今までだったら「初句何文字ありますかね」とか言いたくなっていたんですが、万葉集読んでたらどうでもよくなってきました。
あはん・言はなん、のあたりに押しを感じますね!
#元祖キャッチセールス #ワロタ
恋歌二 藤原興風
わびぬればしひて忘れんと思へども 夢といふ物ぞ人頼めなる
もうつらすぎて忘れてしまおうと思いました。けれど夢というものが人の希望を失うことすら許さないのです。
#いちご訳
昨日の歌とずいぶんキャラ違いますね!
でもやっぱりこの方はなんらかの「圧」を感じますね。今をときめく藤原家だからでしょうか。
昔、生まれ変わるなら誰になりたいと訊かれて「藤原の」まで言ったら「紀香さん?」と先回りされましたが残念、道長様でした。
恋歌二
わりなくも寝てもさめても恋しきか 心をいづちやらば忘れん
どうしてこんなにも滅茶苦茶に恋しいでしょう。寝ても覚めてもあなたのことを……心をどこへやってしまえば、忘れられるのでしょうか。
#いちご訳
詠み人しらず。
ポイントは「わりなし」ですね。理性がない、の意味で訳しました。例文もこんなん。
「わりなくまつはさせたまふあまりに」源氏物語。帝が桐壺さんを贔屓したときの文章だそうです。
まあ、そういうこともあるでしょうね。
歌としては素直にまっすぐ詠まれています。
#どんまい
恋歌二
恋しきにわびて魂まどひなば むなしき殻の 名にやのこらん
恋しくて苦しくて魂が身体から抜け出してしまったら、この亡骸はひとの噂に残るでしょうか。
#いちご訳
これも詠み人しらず。「名に残る」のはよいのですが「むなしき空の」と読めるんですよね。
噂では名前が並ぶけれども、本当は「虚実」なんです、ということなのかなと思うんですが、訳しすぎる気がしたので直訳にとどめました。
どうなんでしょうね? 話を聞いてみたい歌です。
#この件で一言
……怒涛の友則ラッシュで、完全にもっていかれちゃってるじゃないですか、私;^ ^
もともとツイッターで毎日一首ずつやっているんであまり違和感なかったんですが、こうしてまとめて読むと完全にいってしまわれてますね。tomonoriとかタグ作ってるし……!
でもやっぱり歌うまいなあ、と思いましたね。私が思うくらいですから、相当の腕前なんだと思いますよ……って、皆元から知ってるか! それでは次回またお会いしましょう!
お相手は、いつも心に腐れた苺を! 自称作家の あまおう まあお でした!
ほとんど読まれた試しないけど、一応最新作おいておくね^ ^
「小林先生のハンディキャップ」 リベンジ小説なんですが、なんか評判よさげな感じがします!
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