見出し画像

【動画】『地獄の門』を映画のオープニングムービーばりの動画にして頂きました【いただきもの】

 先日公開した、ダンテの神曲の一節【地獄の門】に、お仕事でご一緒した“猫まっしぐら”様が、映像と音楽をつけてくださいました…。

 地獄の門を概念とした映像と、最後の……。

 解釈、どうしようかなと思いましたが、書かないでおきます。
 ただ、

「全て腑に落ちた思い」ということと
 ならば地獄で踊り切ろう、ということ

 なんとなく、そんな気持ちでいます。鳥肌立ちました。

 ねこまさんとは、主にXで交流させて頂いておりますが、この音声を出して、音楽と映像をつけたいとお申し出頂いた時に、お互い、特にどう仕上げたいだとか、どんなイメージにしたいだとか、そういったことは語り合っていません。
 思うように表現してください、とお伝えしただけです。

 ただ、こちらの映像を拝見して、私が表現したかったものが伝わっているのを感じました。
 ご本人による制作記も、ぜひご覧下さい✨

『地獄の門』で意識した読み方

 私がこの朗読をした時にイメージしていたのは、以下です。

①夏目漱石:高音『天使、福音』

天使を語るのは難しいですが、私にとって天使とは、天使自身に意思はなく、ただ神意を伝えるだけで、そこに慈悲も感情もなく、無邪気なまでに美しいものなので、高音で一見可愛らしく感じても、否定も拒否も許さない、有無を言わせない強制力を持たせたいと思いながら読みました。
 地声に近い高音で、私自身の我儘さを乗せています。

②森鴎外:中音『聖女、殉教』

二番目は、神を信仰し、教えを広げる聖職者、聖女をイメージしています。
森鴎外の、やや難解な表現や節回しが、信仰によって神を崇高なものにしていく、聖職者の言葉にマッチするように感じました。
私は特定の宗教や思想は持ちませんが、人が信じるから神様が存在している、と、漠然と感じているので、神様の加護を得るために祈ったり、広めたりも、当たり前の事だと思います。
ただ、そこには『盲信』というリスクがあるので、リスクを孕む清らかさを表現したいと思いながら、本業のナレーションボイスで『人々に伝わるように』読んでいます。

③上田敏:低音『権力者、強制』

最後の低音は、神でも宗教でも信仰でも利用する者、人間を支配する人間、即ち「支配者」として読んでます。一番わかりやすい言葉に訳されているからです。
「神様が天使の口を借りてこう言ってる。聖職者も神を信じろと、こう言ってる。支配者の私も同じこと言うよ。わかるよね?」
です。
「悪いことすんな。するならここ通ってもらうよ。通るなら望みを捨てな。それが嫌なら悪いことしないで言うこときけよ?」
 そういう支配者をイメージしました。女王様ですね…。ちょっとだけ、愛がありそうな読み方をしています。

 と、いうのを、汲み取って頂けたのか、きっと、何か伝わったのだと思うのですが。
 私はこの動画を拝見して、そう感じたのですが。

 読み方の解説を聞いたねこまさんは、全然違う解釈をなさったのかもしれない。いつか語ってくれるといいなと思います。
 ねこまさん、ありがとうございました🙇‍♂️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?